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井上尚弥戦の2カ月前に急逝…中谷潤人は“おじいちゃん”の元へ駆けつけた「会いに行かなくちゃ、と」井上戦のトランクスに“ごはん”の文字…なぜ?
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宮田有理子Yuriko Miyata
photograph byHiroaki Finito Yamaguchi
posted2026/06/04 11:00
井上尚弥を相手にプロ初黒星を喫した中谷潤人。トランクスに記されていた「コミダ」の意味とは
「会いに行かなくちゃ、という気持ちにさせてくれる人でした。右脚も切って、退院してと、ジョー(ルディの弟)の投稿を見ながら、元気なさそうだな……と思ってはいましたけれど」
「僕があるのも、おじいちゃんのおかげ」
到着した翌朝、ルディ、エイドリアンとともに、葬儀場の安置室でおじいちゃんと対面した。長い時間じっと、眠る顔を見つめていた。だが、その日のうちに、日本へ帰らなければならなかった。世界が待ち焦がれる井上との大一番の発表記者会見を、数日後に控えていた。
「本当に感謝の気持ちだけでした。僕があるのも、おじいちゃんのおかげです。こうやってボクシングができて、たくさんの人が観たいと思ってくれる試合ができます。いい報告ができるようにします。そういう気持ちを伝えました」
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「積み上げてきたものがある」。今回の戦いに向けて、中谷は何度もそう繰り返していた。絶対王者と戦うための心の拠り所となる、自分の歴史があると。おじいちゃんは、それを知っている。身体じゅうが痛くてもボクシングに明け暮れた少年の日々から変わらぬ一心不乱を。そんなおじいちゃんを「Comida」の合言葉に乗せて、東京ドームのリングに連れて行った。
最強の男に挑み、勝利には届かなかった。だが、戦い抜いた挑戦者は、リング上で笑った。そして数日ののち、こう語っていた。
「もっと強くなれると思えたことが、収穫です。はやく体を動かしたくなります」
33戦目の初黒星は、もっとすごい未来の始まりかもしれない。
あの日のトランクスとガウンは、ルディに託したのだという。おじいちゃんの部屋に飾ってほしい、と。
早くトレーニングがしたいという気持ちを抑えて、いまはまだ体の回復に務めている。
だがともに戦い抜いた分身は、一足先に、あのロサンゼルスの地にある。


