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「選手として良くなったのかはわからない」今季プレミア“0ゴール”の鎌田大地…なぜ英国アナリストは評価するのか「どうやってこんな選手が育ったんだ?」
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田嶋コウスケKosuke Tajima
photograph byGetty Images
posted2026/05/22 17:06
5月17日ブレントフォード戦、ウォートンのゴールを喜ぶ鎌田大地
それに、ボールテクニックが本当に素晴らしい。プレミアリーグのようなフィジカルの強いリーグでも、安定して高い技術を発揮できる。試合展開が速い中でも技術がブレない。そこが鎌田選手の大きな強みだと感じました」
芝本はさらに、鎌田の価値をこう説明する。
「ゴールを量産するタイプではないし、アシスト数が突出しているわけでもない。ただ、チームへの貢献度は非常に高い。サッカーIQが高く、守備や立ち位置を含めて、チームのシステムをしっかり理解してプレーしているのが伝わってきました。
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言ってしまえば、ゴールやアシストで目立つタイプではない。でも、90分を通して見ると、確かなインパクトを残している。うちのアナリストも『どうやってこういう選手が育ったんだ?』と話していて、本当に衝撃を受けていましたね」
「2人の関係性はすごくいい」
ブレントフォード戦は、試合終盤に追いつかれて2−2のドローに終わった。試合後、鎌田は悔しさを隠さなかった。
「間違いなく、自分たちは勝ち点3に値していた。プレミアリーグで、こういう失点の仕方をすると、勝てる試合もやっぱり勝てない」
一方で、チームの2点目となったウォートンの得点後、鎌田はまるで自分のゴールのように大きく喜んでいた。その理由を聞いてみると、日本代表MFはこう返した。
「アダム(ウォートン)とも2年間、一緒にやっています。プレミアだけでなく、彼はすべてのコンペティションで、まだゴールを入れていなかったので。僕としてもすごく嬉しかった。長くやっている分、互いにそういう感情が生まれているのかと思います」
「天才肌のMF」としてマンチェスター・Cが獲得を狙っているとされる22歳の新鋭ウォートン。フランクフルトで欧州リーグを制した経験を持つ29歳の鎌田。この2人のセントラルMFが、今のクリスタル・パレスの心臓部だ。
鎌田が前に走り出せば、ウォートンはそのランを見逃さない。ウォートンが相手に寄せられれば、鎌田はパスを出しやすい場所に顔を出し、救いの手を差し伸べる。試合中も試合後も、この2人はよくコミュニケーションを取っている。
鎌田自身も、ウォートンとの関係性に手応えを感じる。
「2人の関係性はすごくいいと思う。2人で、今までとは違ったものをパレスで作れている」
「今はW杯のことは考えていない」
今季、鎌田はこれまでよりも低い位置でプレーする時間が増えた。攻撃面で自由に振る舞ってきた過去のキャリアとは、求められる役割も異なる。その変化について、本人はこう分析する。

