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「サントリー退団」24歳高橋藍が“SVリーグの顔”として背負った重圧「ただの客寄せパンダに…」観客爆増だけじゃない、同僚が語る“本当の藍効果”
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byMATSUO.K/AFLO SPORT
posted2026/05/20 11:02
スーツ姿でSVリーグのアワードに参加した高橋藍(24歳)。リーグ連覇は逃したが、2年連続でベスト6とレシーブ賞に選出された
「人間性もバレーIQの高さも、プレースタイルも、すべて尊敬できる。一番すごいのは、ここぞという時に力を出せるメンタルのコントロール。自分をコントロールできるのは自分だけだということをわかっている。ディマからはたくさんのことを学ばせてもらいました」
サントリーに加入したばかりの昨季序盤は、高橋が試合中にイライラしたり、審判の判定に食い下がることもあったが、次第にそうした場面は見られなくなった。昨季終了後、こんな話をしていた。
「ディマは試合中本当に冷静で、判定にも全然グチグチ言わないので、すごいなと思いました。経験豊富で勝ち方を知っているディマが、『言ってもしょうがない。それよりも次の1点だ』というスタンスを示してくれるので、自分も後半戦は『別にそれ必要ないな。言う意味ないな』と。それより次の1点に切り替えるほうが大事だと思いました」
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ムセルスキーが常に「みんなで」と声をかけてチームを一つにする姿にも、「やっぱりそこなんだな」と感銘を受けた。今季、高橋もことあるごとに「勝つ時も、負ける時も、みんなで」と口にした。
SVリーグでも群を抜いた安定感
もちろん高橋がサントリーやSVリーグにもたらした影響も大きい。
サントリーで副キャプテンを務めるリベロの喜入祥充は、高橋を「ザ・安定感」と評する。
「世界のトップに引けを取らない技術やメンタルを持っていて、ハイレベルなパフォーマンスを発揮し続けている。ずっと開幕から出続けて、これだけ結果を、数字でも残してきた。彼自身がそうやって築き上げてきたからこそ、最後もディマだけじゃなく藍にもトスが上がる。
藍はブロックでもポイントを取れるし、サーブでもエースを取れて、パス(サーブレシーブ)を返せて、スパイク決定率も残せる。全部を高いレベルでできるオールラウンダー。世界を見据えた時に、日本人選手が目指すべき場所というか、あれだけできたらやっぱり日本だけでなく、海外のトップチームからも必要とされると思う。それを日本の若いアウトサイドの選手が間近で見て感じられたのは大きいんじゃないかと思います」

