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「年齢を問わず、まだ進化できる」体操・杉原愛子26歳が“ただのベテラン”ではない理由「15歳が優勝、2位は18歳」のNHK杯で見せた“驚きの変化”
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矢内由美子Yumiko Yanai
photograph byAFLO
posted2026/05/19 11:03
NHK杯で3位入賞を果たし、2年連続6度目の世界選手権代表入りとアジア大会代表入りを決めた杉原愛子(26歳)
また、白井さんは杉原がFIGの講習から学んで実践したことについても触れ、「競技を客観的に見られるのが今の彼女の強み。周りが何を求めているか、どういう点数の出方が今の体操に必要なのか。そういう情報を得るための視野が、他の選手とちょっと違う」と語る。
今回の跳躍は、単なる“復活”ではない。技術的にも、身体的にも、そして精神的にも、5年前を超えた“進化版”だった。
杉原自身も「その時よりさらに高さも出てる。進化はできてるって自分でも思います」と言い切る。
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女子体操では、10代の伸び盛りが中心になりやすい。実際、今大会でも西山ら若手の勢いが際立った。その中で26歳の杉原が代表入りを果たした意味は大きい。
「年齢を問わず、まだ進化できるよというのは見せられたんじゃないかな。まだまだ成長します」
杉原は胸を張ってそう言った。
ベテランでも、若手以上に貪欲
個人総合の争いにおいて、跳馬のDスコアを0.4点上げる威力は大きい。だがもちろん、杉原はここで満足していない。
「まだまだ挑戦者として臨んでいきたい」
そう語る姿にベテラン特有の守りはない。むしろ、若手以上に貪欲だ。
世界選手権、そして名古屋アジア大会へ向けた女子日本代表は、15歳の新星・西山を中心にフレッシュな顔ぶれがそろった。その中で杉原の存在は、単なる年長者ではない。経験を知り、怪我を知り、進化の方法を知る選手だ。
昨年は10年ぶりにNHK杯で優勝を飾り、世界選手権では種目別ゆかで金メダル、平均台で銅メダルに輝いた。今年はもう一段階進化した自分を示そうとしている。5年ぶりに挑んだ「ユルチェンコ2回ひねり」。その跳躍には、“まだまだ進化し続ける”という強烈なメッセージが込められていた。

