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「年齢を問わず、まだ進化できる」体操・杉原愛子26歳が“ただのベテラン”ではない理由「15歳が優勝、2位は18歳」のNHK杯で見せた“驚きの変化”

posted2026/05/19 11:03

 
「年齢を問わず、まだ進化できる」体操・杉原愛子26歳が“ただのベテラン”ではない理由「15歳が優勝、2位は18歳」のNHK杯で見せた“驚きの変化”<Number Web> photograph by AFLO

NHK杯で3位入賞を果たし、2年連続6度目の世界選手権代表入りとアジア大会代表入りを決めた杉原愛子(26歳)

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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 体操世界選手権(10月17日~25日、オランダ・ロッテルダム)の代表最終選考と愛知・名古屋アジア大会(9月19日~10月4日)の代表最終選考を兼ねたNHK杯で、腰痛のため4月の全日本個人総合選手権で5位と出遅れていた女子の杉原愛子(TRyAS)が逆転で3位になり、2年連続6度目の世界選手権代表入りとアジア大会代表入りを決めた。 

5年ぶりに決めた「ユルチェンコ2回ひねり」

 全日本個人総合選手権との2冠に輝いた15歳の西山実沙(なんば体操クラブ-ngc/相愛学園)をはじめ、若手の勢いが目立つ中で、杉原が見事に代表入りを勝ち取れたのは、最初の種目の跳馬で21年東京五輪予選以来となる「ユルチェンコ2回ひねり」に挑み、14.533点の高得点を出したことが大きな要因だった。

 技の難度を示すDスコアは4月の全日本個人総合選手権で行った「ユルチェンコ1回半ひねり」より0.4高い5.0点。しかも出来映えはEスコア9.533点という非常に高い評価が示す通り、5年前よりもさらに質が向上していた。ただ技を以前のものに戻したわけではない。技術そのものを根本から変え、以前より進化した状態で帰ってきたのだ。

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 杉原自身も「今までで一番いい跳躍。技術を変えてから試合で初めてやってこの点数なので自分でもびっくり。良い跳躍をできたという思いもあるし、評価もされて、自信につながった跳躍でした」と笑顔で振り返った。

杉原の“進化”はなぜ生まれているのか?

 “進化”の鍵となったのは、跳馬に着手する際の技術だ。

 以前は手のひらをハの字型にして着く「内向き」の着手だったところから、ハの逆である「外向き」の着手へ変更。ロイター板を蹴り、跳馬台に手をつく角度や位置を変えたことで、反発をより効率的に受けられるようになった。それによって高さが出て、空中動作に余裕が生まれた。跳躍中の足割れもまったくなく、美しさが際立った。

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