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「年齢を問わず、まだ進化できる」体操・杉原愛子26歳が“ただのベテラン”ではない理由「15歳が優勝、2位は18歳」のNHK杯で見せた“驚きの変化” 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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posted2026/05/19 11:03

「年齢を問わず、まだ進化できる」体操・杉原愛子26歳が“ただのベテラン”ではない理由「15歳が優勝、2位は18歳」のNHK杯で見せた“驚きの変化”<Number Web> photograph by AFLO

NHK杯で3位入賞を果たし、2年連続6度目の世界選手権代表入りとアジア大会代表入りを決めた杉原愛子(26歳)

 技術を変えようと思ったきっかけは昨年12月に受けたFIG(国際体操連盟)のコーチアカデミー講習。そこで外向き着手の理論を学び、「やってみよう」と思ったという。それが成功した。

 杉原はこのように言う。

「跳躍の着手の技術自体を根本的に変えたのが良かったです。前は、早くひねり始めたくて、ひじが潰れたままひねってしまったりして、100%の力をもらえず高さが出ず、ひねり不足のまま着地していたことが結構ありました」

白井健三から届いた“返信”とは

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 その結果、足首やひざへの負担も大きかった。

「東京五輪の時までは、ひねりながら着地してたから足首もひざも(痛めてしまうのではないかと思って)怖かった。でも今は、しっかりひねり切ってマットを見てから着地できるようになりました」

 今回の変化を後押しした存在がいる。2016年リオデジャネイロ五輪男子団体の金メダリストであり、同五輪の男子跳馬で成功させた「ユルチェンコ3回半ひねり」が「シライ2」と命名されている白井健三さん(現在は男子U-20ヘッドコーチおよびジュニア専任コーチ)だ。

 白井さんも着手は外向き。杉原は自身の練習動画を送り、助言を求めた。すると白井さんからは「これなら2回半もできるよ」という返信が来たという。女子にとって2回半ひねりは世界でも一握りの選手しかできない大技だ。

白井が語る杉原の強み「他の選手とちょっと違う」

 もちろん冗談交じりではある。それでも、世界トップレベルの跳馬を知る白井さんは、杉原の変化に進化の可能性を感じていた。

「それ(着手)しか教えてないんです。でも、それを活かせるのが彼女の強さ」

 そう語った上で、特に評価したのが、長年の経験に裏打ちされた技術修正能力だった。

「外向きの着手はすごく難しい。内向きに着手する時以上にリスクが高いんです。でも、杉原選手ぐらいの経験があるとできる。着きたい所に手を着くためには(その前の動きである)ロンダートをどうすればいいのかを逆算できるからです。だから安心して見ていられます」

【次ページ】 「年齢を問わず、まだ進化できる」

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