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「僕はそれが一番嫌だった」武尊がかつて明かしていた“ある思い”…引退会見で「裏方でもなんでもやる」まっすぐな格闘家が貫いた“格闘技への愛” 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph bySusumu Nagao ONE Championship

posted2026/05/16 11:05

「僕はそれが一番嫌だった」武尊がかつて明かしていた“ある思い”…引退会見で「裏方でもなんでもやる」まっすぐな格闘家が貫いた“格闘技への愛”<Number Web> photograph by Susumu Nagao ONE Championship

4月26日、引退試合でロッタンに勝利した武尊

 誰かが貶められたり傷ついたりするのは、もうたくさんだった。

「どっちかの団体が落ちたり、格闘技界が落ちたり、そうなったらやる意味がなくなってしまう。この試合が熱望されてから、K-1が悪く言われたり、逆もあったと思います。僕の試合のことでK-1が悪く言われて、K-1ファイターたちにも迷惑をかけてしまった。悲しかったし悔しかったと思います。僕はそれが一番嫌だった。K-1、RISE、RIZIN、他の団体、みんなが“上がる”ものじゃなければ意味がない」

 ストレスが原因の一つとされている突発性難聴、それにうつとパニック障害に苦しんだ時期もある。気がつけば「プライベートでもほぼ笑ってなかった」。2021年3月、那須川が見守る前でK-1王座を防衛すると、久しぶりに心からの笑顔が出た。

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「表情筋が柔らかくなりました(笑)」

 インタビュースペースでの写真を見た担当編集者が「こんな素敵な笑顔を持ってる人だったんですね」と感嘆していた。それくらい、当時の武尊には笑っているイメージがなかったのだ。

ロッタンにとっては13年ぶりのKO負け

 那須川戦はダウンを奪われ判定負け。決まっていたフジテレビでの中継がなくなるという“事件”もあった。負けたら引退と決めていた武尊だが、自然に新たな闘志が湧いていた。新たな目標はムエタイ最強の“倒し屋”であるロッタンとの対戦だ。ロッタンが所属するONE Championshipと契約し、迎えたONE日本大会での一戦は1ラウンドKO負け。キャリア最大の屈辱であり、はっきり優劣がついたと思わされる敗戦だった。

 なのに武尊はロッタンとの再戦を望んだ。それも引退試合で。それこそ、負けた屈辱を払拭せずに終わるのが「許せない」ということだったのだろう。

 結果は劇的な上にも劇的な5ラウンドTKO勝利。実に4度のダウンを奪いレフェリーに試合を止めさせた。ロッタンにとっては13年ぶりのKO負けだった。

 30代、ケガを抱えながらうまく休んでコンディションを整えた。自分の弱さを認めたのが勝因だと武尊。“休む勇気”を持ったということだ。フィジカルもメンタルもストラテジーも、すべてが最高だった。

【次ページ】 引退会見で武尊が強調した言葉

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#ロッタン・ジットムアンノン
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