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UFC王者の“エグい連打”で無念のTKO負け…平良達郎26歳の“最大の誤算”は何だったのか? ミドル級毒舌王者は称賛「ヤバかった…いつかベルトを取る」
posted2026/05/13 17:02
日本人初のUFC王者を目指してタイトルマッチに挑んだ平良達郎。王者ジョシュア・ヴァンに食い下がるも、5ラウンドに力尽きた
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布施鋼治Koji Fuse
photograph by
Getty Images
5ラウンド1分20秒過ぎ、ボディタックルを凌がれた平良達郎(THE BLACKBELT JAPAN)は、ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)に左ジャブから右ボディを浴びせられ、ケージを背にした。
さらに左ジャブを被弾すると、前かがみに顔面を覆うようにしてガードしようと試みるが、アッパーを合わされ無理やり起き上がらされてしまう。2ラウンド終盤以降、何度も劣勢を跳ね返してきていた平良だったが、もう限界だった。
そんな挑戦者の心をへし折るように、ヴァンは冷静にガードが空いている場所を探して左ボディから右ストレート。平良がケージ伝いに横を向きながら逃がれようとすると、右の連打で追い打ちをかけ、レフェリーストップを呼び込んだ。
日本人初のUFC王者誕生へ、期待は高まっていた
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現地時間5月9日、米国ニュージャージー州ニューアーク開催の『UFC 328』で組まれたUFCフライ級タイトルマッチ。この一戦がファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞し、王者、挑戦者とも賞金10万ドル(約1500万円)を手にしたことには納得しかない。ひいき目抜きに、そう思えるほどの熱戦だった。UFCの階級の中では最軽量級で、アジア人同士というシチュエーションも関係なかった。
試合前は「平良が有利」という声が多く、UFC初の日本人王者誕生の機運が高まっていた。昨年12月、受け身を取り損ねる形で左ヒジを脱臼し、ヴァンに王座を明け渡した前王者のアレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)も平良の勝利を予想していたほどだ。筆者はこの試合を東京のパブリックビューイングで視聴したが、まだ午前中だというのに前祝いとばかりにアルコールを手にした赤ら顔の観客が目立ち、いやがうえにも戴冠ムードを高めていた。
初回は平良のラウンドだった。右のカーフキックで距離やリズムを測り、チャンスと見るや遠い間合いからボディタックルで一気に距離を詰め、このラウンドだけで3度もテイクダウンを奪う。残り時間20秒で決めたタックルから即座にマウントポジションを奪ったときは、日本人初のUFC王者誕生への期待感がさらに高まった。

