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ラグビーリーグワン“新規程”がなぜ大騒動に? 選手約20人が裁判所に「差止め申し立て」の異例…リーグ側は「ラグビー界の良い流れを作っていきたい」 

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大友信彦

大友信彦Nobuhiko Otomo

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2026/05/11 06:04

ラグビーリーグワン“新規程”がなぜ大騒動に? 選手約20人が裁判所に「差止め申し立て」の異例…リーグ側は「ラグビー界の良い流れを作っていきたい」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

多くの外国出身選手たちが日本代表としても活躍しているラグビー界。そんな彼らに大きな影響を与えた「新規定」とは?

 そもそも世界のラグビーは国籍ではなく所属協会主義を取っており、一定期間当該国に居住していればその国(協会)の代表資格を得られる。具体的には

・その国で出生している
・両親または祖父母の最低一人がその国で出生している
・直前60カ月=5年間の連続居住(2021年までは36カ月=3年間)

 と定められている。30日の会見で「ラグビーは国籍主義ではなく所属協会主義なんです」と繰り返し主張した玉塚理事長自身、慶大を卒業後に赴任したシンガポールで代表入りし、香港7人制大会に出場した経験を持つ(当時の規程はもっと緩かったが)。

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 リーグワンは2022年の設立時から、選手登録要件にもこの規程を適用した(連続居住はシーズン終了後の日本代表選出に備え1年繰り上げて48カ月とした)。

 フィジカルコンタクトを伴うラグビーでは身長・体重・筋肉量などのサイズが大きな意味を持つ。小柄な選手の多い日本人選手に対し、大柄な外国出身選手は最初からアドバンテージを持ち、日本人選手と同じ位置づけで出場できる「カテA」の選手は重宝される。

 年ごとに各選手の居住期間は12カ月ずつ加算されるので、年を重ねるごとにリーグワン各チームでは外国出身のカテA選手が増加。今季(2025-26シーズン)のD1では、同時出場の15人の中に外国出身選手が10人以上になるケースも珍しくない。

 これには「多様性はラグビーの魅力」「異なるバックグラウンドを持つ選手が集まることで新たなラグビー文化が育まれる」と称賛する声がある一方「日本人選手が活躍する機会がない」「どこの国のリーグなんだ」という否定的な声も一部では聞かれていた。

昨年発表された「カテゴリー分類の変更」

 2025年5月、リーグワンはこの「カテA」を(1)小中学校の義務教育期間のうち6年以上を日本で過ごした者、または本人または両親祖父母のうち1名が日本出生である者を「A-1」、(2)それ以外を「A-2」という2つに分類。同時出場枠は「A-1」が8名以上、「A-2」はB、Cと合わせて7名以下(うちCは3名以下)と変更すると発表した。

 そしてこの変更が、大きな火種を生むことになった。

<次回へつづく>

#2に続く
「レイシストがルールを作っている」元日本代表選手も猛批判…ラグビーリーグワンの“新規程”が大紛糾のナゼ リーグ側は「差別を意図したものではない」

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