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「井上尚弥をKOしたら中谷潤人を1位に推したよ」井上尚弥“PFP1位”満場一致の舞台裏…米リング誌選考委員が明かしたメール投票の一部始終
posted2026/05/08 06:02
米リングマガジンのPFPランキングで3度目の1位に返り咲いた井上尚弥。過去とは違い、選考委員の票は割れなかった
text by

杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph by
Hiroaki Finito Yamaguchi
文句なしの“最強”復帰だった。
米リングマガジンのパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングが5月4日に更新され、前週まで2位につけていた世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が1位に浮上。最も歴史と権威があるとされる同ランキングで、日本が誇る“モンスター”は改めて世界No.1ボクサーとして認められたのである。
『リング誌PFP1位へ返り咲きました!!この試合を評価していただいて得た返り咲きはとても価値あるものです』
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井上自身もX上にそう記した通り、2日に東京ドームで行われた中谷潤人(M.T)との日本人スーパーファイトでの勝利が高く評価されたことはいうまでもない。
「中谷が井上をKOしたら1位に推す」
予想できないことではなかった。PFP6位にランクされた中谷との“PFPマッチアップ”の前評判は高く、この試合の勝者が順位を上げることは想定内。今戦のためにスコットランドから来日したランキング選定委員の一人、トム・グレイ氏は「イノウエが勝てば1位になるべき。ナカタニがイノウエをKOで下すことがあれば、私はナカタニを1位に推そうと思っている」と述べていた。
近年でもテレンス・クロフォード対サウル・“カネロ”・アルバレス、クロフォード対エロール・スペンスJr.、アルツール・ベテルビエフ対ドミトリー・ビボルくらいしか実現していないPFPトップ10対決にはそれだけの価値があるとみなされていたということだ。
試合はご存知の通り、超ハイレベルの技術戦となり、序盤と終盤を押さえた井上が明白な3-0判定での勝利。ダウンを奪うなどの山場はなかったものの、32戦全勝でここまで辿り着いた“今が旬”の3階級制覇王者の勢いを止めた総合力と安定感はやはり見事ではあった。判定で論議を呼ぶべき内容でもなかったため、“モンスター”の1位再浮上を阻む要素はもう存在しなくなった。

