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「イノウエとウシクには大きな“差”がある」あの“ヘビー級大国”が井上尚弥の中谷潤人戦を絶賛のワケは?「彼の試合はローカルな物語とされがちだが…」
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別府響Hibiki Beppu
photograph by(L)Takuya Sugiyama / (R)Getty Images
posted2026/05/08 06:00
現在のボクシング界でパウンド・フォー・パウンドの1位を争っている井上尚弥とオレクサンドル・ウシク
かつての井上は、相手をなぎ倒す破壊的なノックアウトが代名詞だった。
しかし近年の試合、特に今回の中谷戦で見せたのは、勝利を確実に手繰り寄せる「完成されたボクサー」の姿だ。
驚異的な反射神経から、相手のわずかなミスを見逃さずに重いパンチを叩き込む。判定での決着となったものの、その内容は海外メディアからみても讃えるにふさわしいものだったのだろう。
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「井上は『マネーファイト』をむやみに追い求めず、ただただ目の前に現れる強敵をなぎ倒していく」(『Чемпионат』)
メディアの喧騒や放映権料の多寡といったビジネスのフィルターを剥ぎ取った時、そこに見えるものこそが、無慈悲なまでの「怪物」の姿なのかもしれない。
試合後に三度、PFPの1位に返り咲いた井上
“ヘビー級至上主義”のロシアメディアすらも脱帽させた井上尚弥。ちなみに井上は過去に2度、PFPの頂点に立っていた。1度目は2022年6月のノニト・ドネア戦後(その後、アンソニー・ジョシュアを破ったウシクに抜かれている)。2度目はルイス・ネリ戦後の2024年5月だ。
そして今回の試合後の5月4日(日本時間5日)、世界で最も権威ある米国のボクシング専門誌『The Ring』のPFPランキングで、井上は3度目の1位に返り咲いた。
前出の『Чемпионат』は、記事をこんな言葉で結んでいる。
「現在、ナオヤ・イノウエこそが世界最高のボクサーである。それは公式に認められるべき事実なのだ」

