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井上尚弥との頂上決戦「僕は中谷君が勝つと思います」対戦者が語る中谷潤人…「アフマダリエフ戦の闘い方をすれば、誰も井上尚弥に勝てない」は真実か?
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森合正範Masanori Moriai
photograph byTakuya Sugiyama
posted2026/05/01 11:08
井上尚弥戦前の公開練習で笑顔を見せる中谷潤人。かつて対戦した望月直樹は「下剋上が見たい」と中谷の勝利に期待する
「暇さえあれば勉強しています」引退した望月の今
ボクシングを引退し、望月は応援してくれた企業の縁で不動産関係の仕事に興味を持ち、地元横浜の不動産会社に就職した。トレーナー業などに就き、ボクシング界に留まることは考えなかった。
「むしろ、ボクシングの世界だけではなく、いろいろな世界を見てみたい、知りたいという欲がすごくあるんです。それは高校時代に福島へ行かせてもらったり、いろいろな経験をさせてもらったから。その世界がすべてじゃないよね、という気持ちがどこかにあるんだと思います」
スポットライトを浴びた刺激的な舞台から、日々、同じようなことが繰り返されるサラリーマン人生へ。第二の人生を退屈だと感じる元プロボクサーも多い。
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「その気持ち、すごくわかります。僕もそう思った時期がありました。でも、その気持ちをうまく仕事に変換して、資格を取ったり、のめり込むことができました」
宅地建物取引士(宅建)の取得を目指し、3度目の試験で合格した。2024年には妻・裕美と結婚し、現在、藤沢市の不動産会社に勤めながら、ファイナンシャル・プランナー2級の取得を目標にしている。
「自分の名刺で仕事ができるようになりたいんですよね。求められるような人材になって、お客様に満足していただく。だから、暇さえあれば勉強しています。日常に取り入れると抵抗感がなくなりますよね」
32歳の今、仕事が終わった後、お酒を飲みながら、テレビを見ながら、風呂に入りながら、参考書や問題集をめくる。
これからどんな辛いことがあっても、あの高校時代の寮生活を考えれば克服できる。ショックで打ちひしがれても、ボクシングで初黒星を喫したことを乗り越えた経験が生かされる。難題に直面したら、中谷戦で怯まず向かっていったときのことを思い出せばいい。
「僕、また燃えているんですよ」
望月はそう言って、笑みを浮かべながら、内なる闘志をのぞかせた。あの、ボクシングを始めたころのように。
<全3回/全編は以下のリンクからお読みいただけます>

