ボクシングPRESSBACK NUMBER
井上尚弥との頂上決戦「僕は中谷君が勝つと思います」対戦者が語る中谷潤人…「アフマダリエフ戦の闘い方をすれば、誰も井上尚弥に勝てない」は真実か?
text by

森合正範Masanori Moriai
photograph byTakuya Sugiyama
posted2026/05/01 11:08
井上尚弥戦前の公開練習で笑顔を見せる中谷潤人。かつて対戦した望月直樹は「下剋上が見たい」と中谷の勝利に期待する
――戦力を比較したらどうですか。下馬評では井上選手のほうが優位ですが。
「僕はそうは思わないです。まずは距離ですよね。中谷君がどっしりと構えて重心を後ろに置くかによりますけど、遠い距離なら五分だと思います。中間距離なら井上選手、接近戦なら中谷君。あとは僕にアッパーを打ったような、体がくっつく超接近戦のシーンがあれば中谷君かな。でも、なにより……」
――なにより?
ADVERTISEMENT
「僕が中谷君とやると決まってから強くなったのと同じで、中谷君が井上尚弥と闘う、それが彼をさらに強くさせると思います」
きっぱりと言った「中谷君が勝つと思います」
――どのボクサーも井上選手を相手にすると想像以上の力を発揮します。
「これは不思議なんですけど、あるんです。誰と闘うか。その過程で負けるかもしれない不安があって、それをかき消そうと一生懸命考えるし、努力をする。必死になって練習するから、結果強くなる。僕も中谷君とやる前に経験しました」
――危機感があるから、これまで以上に練習をする、その作業の過程で強くなると。
「はい。でも井上選手もそう。お互いなんです。ただ、井上選手はボクサーとして成熟している。中谷君のほうが、井上尚弥とやることで高みに上がる幅があるのでは、と思います」
――井上選手も長身サウスポーを相手にどう闘うか。
「よく聞くのが、アフマダリエフ戦の闘い方をすれば、誰も井上選手には勝てないと。でも、アフマダリエフは小さい(166cm)ですよね。それに動きが直線的じゃないですか。別に頭を動かすわけではないし、ブロッキングをしながら詰めてくる。中谷君は長身(173cm)で、頭の位置が絶えず違うので、比較にはならないと思います」
――試合のポイントは。
「1ラウンドだと思います。中谷君、僕との試合でいきなり来ました。西田(凌佑)戦でもそう。俺のパンチ強いよ、って来るんです。井上選手もそうですよね。絶対に相手を飲みにくる。ガードの上からでも打って、俺が井上だぞ、というスタンスで入る。どっちの波が大きいか。1ラウンドに何か起こる可能性があるかもしれない」
最後にきっぱりとこう言った。
「僕は中谷君が勝つと思います」


