ボクシングPRESSBACK NUMBER

“井上尚弥も警戒”中谷潤人の師ルディ・エルナンデスとは何者なのか?「世界王者の弟ヘナロよりセンスあった」知られざる半生「ゲットーで生まれ育ち…」

posted2026/04/30 11:37

 
“井上尚弥も警戒”中谷潤人の師ルディ・エルナンデスとは何者なのか?「世界王者の弟ヘナロよりセンスあった」知られざる半生「ゲットーで生まれ育ち…」<Number Web> photograph by Yuriko Miyata

中谷潤人だけでなく、トレーナー、あるいはカットマンとして多くの日本人ボクサーに携わってきたルディ・エルナンデス

text by

宮田有理子

宮田有理子Yuriko Miyata

PROFILE

photograph by

Yuriko Miyata

井上尚弥に挑む中谷潤人を、15歳から指導してきたルディ・エルナンデス。日本ボクシング界と深いつながりを持ち、井上も「ルディは策士だから」と警戒するトレーナーの知られざる半生とは。“ゲットー”に生まれ育ち、「ボクシングは私の人生」と語るベテラントレーナーの足跡を追った。(全3回の3回目/第1回第2回へ)

 ◆

 5月2日に迎える運命の一戦。その盛大な発表会見を目前に控えた3月頭、ロサンゼルスに中谷潤人の姿があった。

 急逝したロドルフォ・エルナンデスさんとお別れするためだった。ルディ・エルナンデスの父。中谷が「おじいちゃん」「グランパ」と慕う恩人だ。

ADVERTISEMENT

 1990年代に、三男坊ヘナロを世界王者へ育て上げた。年老いてもボクシング・ジムにいればご機嫌で、日本で活躍する中谷がキャンプで戻ってくる日を指折り数えていた。15歳でひとり、同じ屋根の下に暮らし始めたジュントを慈しみ、ジムへ行くのも、ランドリーに行くのも、チキンを買いに行くのも一緒だったロドルフォさんは、近年、血行不良から両足を切断。それでも気丈に暮らしていたが、2月28日の朝、いつも通りに自分で車いすに乗ろうとしてベッドから転落し、亡くなった。中谷が知らせを受けたのは、ちょうど沖縄合宿を打ち上げ、東京へ戻る日。羽田空港に到着すると、とるものもとりあえずロサンゼルスへ向かったのだという。

ルディと日本ボクシング界のつながり

 葬儀場の安置室で、ルディは中谷とともに、ロドルフォさんと最後のお別れをした。中谷はその日のうちに、そしてルディも葬儀の段取りを整えれば、予定通り記者会見に出席するため日本へ向かうと言った。

「父は納得するさ。仕事は大切だ。ボクシングは私の人生だ。そして最も大事なのは、私に人生をくれたボクシングは、父が私に与えてくれたものだということだ」

 ルディ・エルナンデスといえば長年のボクシングファンは、帝拳の契約選手でもあったWBA、WBC世界スーパーフェザー級王者ヘナロ・エルナンデスの実兄、コーナーマンとしての姿から思い出すのだろう。

【次ページ】 15歳のルディ少年が世界王者に認められた日

1 2 3 4 NEXT
#中谷潤人
#ルディ・エルナンデス
#井上尚弥
#ヘナロ・エルナンデス
#畑山隆則
#伊藤雅雪
#石田順裕
#アンソニー・オラスクアガ
#アレクシス・アルゲリョ

ボクシングの前後の記事

ページトップ