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「ユウキはノベルティじゃない、NBA選手だ」24歳河村勇輝“アメリカでの評価”は確実に変わった…激動シカゴの3カ月は「間違いなくNBA本契約につながる」
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宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byScott Taetsch/Getty Images
posted2026/04/23 11:02
今季はシカゴ・ブルズとツーウェイ契約を結んだ河村勇輝。昨季と比べて出場機会を増やした
嵐のようなシーズンでもあった。
河村個人としても、去年秋に血栓という診断を受けた。当初、軽く考えていた河村だったが、医者から「血栓を簡単に考えていたら、バスケ人生だけじゃなく、悪い方向にいくと本当に死んじゃうよ」と言われ、ことの重大さに気づいた。と同時に、元気にバスケットボールができること、試合ができることは当たり前のことではないということも痛感した。
1月にブルズと契約した1カ月後、チームメイトの半分がトレードになった。さらに、シーズン終了まで1週間という時期に、今度はバスケットボール運営部門責任者のアルトゥラス・カルニショバスとGMのマーク・エバースリーが解雇された。
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「これがNBAの厳しさ」と河村は言った。
昨季も、所属していたメンフィス・グリズリーズのヘッドコーチがシーズン終盤に解雇されるという経験をしている。NBAでは安泰なポジションにいる人は誰ひとりとしていないのだ。
それにしても、わずか2年間で、シーズン中にヘッドコーチ交代とフロントの解雇を経験するとは、予想以上の厳しさだった。
「選手だけではなくて、ヘッドコーチや、トップの GM が変わるという経験を2年連続で経験しました。トレードデッドラインでは、半分以上の選手が入れ替わって、もう本当にガラッとチームが変わったっていうのも経験した。ツーウェイの立場でもそうですけれど、自分が本契約になれば、またそういったトレードのことを気にしたりしないといけない時期も来ると思う。それだけに、今は自分がフォーカスできることをやるべきだと思っています」
河村自身、7月にはまたフリーエージェントになり、新しいチームを探すことになる。ブルズに残りたい気持ちはあるが、そこに執着するつもりはない。来季のロスター状況を見ると、小柄なガード2人の契約が残っているので、残るのは難しそうだと覚悟してもいるという。だとすれば、目標であるNBA本契約を勝ち取るためにも、試合に出られるチームを探すことが最優先だ。
本契約を勝ち取るための3年計画
来シーズンはアメリカに出てきたときの3年計画3年目。NBA本契約を勝ち取ることを目標に掲げたシーズンだ。簡単に達成できることではないこともよく理解している。
「僕が選べる立場にあるとは正直思ってないんですけれど、一番いい条件を出してくれるチームと契約したいなと思ってます。それが、求められてるっていうことだと思うんで」
さらに、シーズン前から本契約を獲得することは期待していないとも言う。目標達成への自信は揺るがないが、その一方で自分の立ち位置を過剰評価せず、現実的に受け止めている。
「シーズン前から本契約というのは、今は想像つかない。選んだチームでしっかりと結果を残して、シーズンの途中でも本契約にコンバートされるというのが、自分の中で目標としてるありかたです。この2年間で確実にステップアップできているので、あとはここをひとつ乗り越えれば間違いなく本契約っていうところにつながると自分では思ってます」
勝負の3年目となる来シーズン、積み重ねてきた経験がどのように花開くのか。挑戦の行方に注目したい。〈全2回/前編から読む〉

