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「ユウキ、ルイを止めてやれ!」ベンチの野次に八村塁はなぜ笑った? 河村勇輝とのNBA日本人対決…汗で濡れたユニフォームと一緒に交換した「Keep going」

posted2026/03/23 11:00

 
「ユウキ、ルイを止めてやれ!」ベンチの野次に八村塁はなぜ笑った? 河村勇輝とのNBA日本人対決…汗で濡れたユニフォームと一緒に交換した「Keep going」<Number Web> photograph by AP/AFLO

NBAのコートでマッチアップする八村塁と河村勇輝

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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NBAのコートで八村塁と河村勇輝がマッチアップした。6度目の対戦でついに実現した日本人対決の全貌を、二人の証言で振り返る。〈NumberWebレポート全2回の前編〉

「ユウキ、ルイを止めてやれ!」

 3月12日、ロサンゼルスのクリプトドットコム・アリーナでのロサンゼルス・レイカーズとシカゴ・ブルズの試合で、ベンチからそんな野次が飛ぶと、ベンチ前のコーナーで攻撃のポジションを取っていた八村塁の顔に笑顔が広がった。

 八村の目の前には、赤いブルズのユニフォームを着た河村勇輝がいて、八村を守っていた。八村は203cm、河村は173cm、その身長差は30cmだ。八村が「ミスマッチ、ミスマッチ」「ダブルチームで守ってくるのか?」と英語で河村にけしかけると、河村は「ポストアップだけはしないで」と、これまた英語で返した。

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 試合後、河村は「トラッシュトークっぽいことを、英語でしていました」と言っていたが、どうやらNBAのトラッシュトークでイメージするような殺伐とした言い合いではなかったようだ。同じ試合では、ブルズのマタス・ブゼリスとレイカーズのルカ・ドンチッチがトラッシュトークを展開、それに火をつけられたドンチッチが51得点を記録するという場面もあったのだが、日本人2人の間のやり取りはそれとは対照的な軽口の応酬。八村も後から、「ふざけて言っていただけです」と楽しそうな笑顔を見せた。

 もっとも、この場面では八村にボールは渡らず、レブロン・ジェームズがフリースローライン近くからジャンプシュートを放り、外れた。試合を取材していたアメリカ人記者の一人は、「あそこはルイにボールを渡して、ルイ対ユウキで攻めるべきだった。ルイはサイズのミスマッチを活かしてアドバンテージを取れただろうし、もしユウキがそれを止めたら止めたで、日本のバスケットボールにとってビッグストーリーだった」と残念がった。

 3Q終盤に、それに近い場面があった。河村が交代で試合に出てきてすぐ、八村がトランジションでボールを持って走ると、河村が追いつきマーク。八村はポストアップで河村を押し込もうとしたが、そこに2人目のディフェンダーが寄ってきた。結局八村は教科書通りにチームメイトにパスを回し、2人のマッチアップはそこで終わった。わずか5秒ほどの出来事だったが、間違いなく記憶に残る瞬間だった。

【次ページ】 6回目でようやく実現したマッチアップ

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