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「1秒1秒に命をかけて」河村勇輝がレブロンに挑んだ夜…10分の出場で示したNBA生存力「ユウキを信頼しているから試合に出した」ブルズ指揮官の本音
posted2026/03/23 11:01
シカゴ・ブルズとツーウェイ契約を結んでいる河村勇輝(25歳)
text by

宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Sean M. Haffey/Getty Images
3月12日のロサンゼルス・レイカーズ対シカゴ・ブルズでの河村勇輝のハイライトは、八村塁とのマッチアップだけではなかった。10分8秒出場し、印象に残るプレーをいくつも繰り出した。その中には、河村がNBAで生き残るために必要なヒントがいくつもあった。
レブロン越しに決めた3ポイント
2Q頭、最初に試合に出てきた直後には、レブロン・ジェームズにマークにつかれた。彼はディフェンスではヘルパーとして自由に動けるようなポジションを好むため、外からのシュートを武器とする選手とはマッチアップしたがらない。ここで河村をマークしたのは、外からのシュートが脅威ではないと見られていたからだ。実際、今季の河村のNBAでの3ポイント成功率は31.3%(3月22日時点)と平均を下回り、アテンプト数も、平均11分の出場で1.5本と少ない。そのため、レブロンはかなり下がって守っていた。それを見た河村は、パスを受け取ると躊躇することなく3ポイントシュートを打ち、決めた。
NBAで最も身長が低い河村にとって、試合に出たときに証明しなくてはいけないことがいくつかあるが、そのひとつが外からのシュート力だ。外から高い確率で決めてこそ、ドライブインやパスといった得意なプレーを繰り出すことができる。だからこそ、初の1本を決めたことで、試合に落ち着いて入ることができたのだという。
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「間違いなくあの3ポイントは自分を落ち着かせたシュートだったと思います。コーチからはフリーだったら絶対打てと言われているんで、そこで1本決められたことはよかった」
このとき、自分のやるべきことにだけ集中して、目の前にいるのが、NBA史上最高の選手のひとりであることは意識すらしていなかったという。
「正直なところ、その時にレブロンがいたから打ったとか、決めた後にレブロン越しだったっていう意識はあまりなかったですね。マッチアップする相手の選手っていうイメージで打って入ったっていう感じです。レブロンの前でスリーポイントを決められたことは、もちろん結果的には嬉しいですけど、試合中に何かを意識するみたいなことは特になかったです」
続く攻撃では、スピードとパスという自分の強みを生かしたプレーを見せた。
