テレビに映らない大谷翔平:番記者日記BACK NUMBER
「本人もつらいと…」ドジャース同僚父が急死の訃報、大谷翔平は「MR」と帽子に記した「ショウヘイは人として素晴らしい」ロハスが感激した日
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柳原直之(スポーツニッポン)Naoyuki Yanagihara
photograph byNaoyuki Yanagihara
posted2026/04/24 17:00
ブルージェイズ戦の登板後、囲み取材に応じる大谷翔平
「キャッチボールからそんなに感覚が良くなかったので。自分の立ち位置だったりとか立つ角度だったりとか、球場によってもブルペンとマウンドでも違うし、感覚ばかりに頼ってくると、ちょっとズレてくるものではあるので、そこの確認です」
24年6月から打席でもバットを地面に置き軸足となる左足の“立ち位置”を決めているが、マウンドでは右足の“立ち位置”を意識し、再現性の高い投球を目指している。大谷の投打のパフォーマンスがいかに繊細なこだわりから生まれていることが分かる。
3日のナショナルズ戦で今季初アーチを放った際の「お祈りポーズ」については他社の後輩記者が聞いた。
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「特別な意味はないですね。まあ長いこと(本塁打が)出てなかったので。まあ打撃コーチとかいろんな人と相談してましたし。ようやく1本打てて良かったなって」
このポーズに関してはメディアの間でもいろいろな憶測が流れたが、極めてシンプルな思いを聞いてホッとした。
ロハス父の急逝…大谷が帽子に記した「MR」
この日、大谷は「MR」と記した帽子で試合に臨んでいた。
4月7日の敵地ブルージェイズ戦の直前。チームリーダーのロハスの元にベネズエラに住む父急逝の訃報が届いた。
フレディ・フリーマン、デーブ・ロバーツ監督の説得で出場を見合わせて欠場。ベネズエラへの直行便がないトロントからは翌日の葬儀には間に合わない。憔悴していた夜、ロハスは球団スタッフから「大谷が帽子に“MR”と記して翌日の登板に臨みたいと言っている」と言づてされた。父のイニシャルだった。
ロハスは「大事な家族のことを思ってくれたことに感謝している。こういう苦しい時にどういう行動を取ってくれるかは、自分にとってとても大事なこと」と感激していた。約束通り大谷は「MR」と記した帽子でこの日のマウンドに立った。帽子に父の愛称「MICKY」と書き込んで遊撃手でフル出場したロハスは言った。
「翔平はチームメートを本当に気にかけているし、人として素晴らしい。野球選手として史上最高になり得る存在だが、こういう形で父と自分に敬意を示してくれたことは本当に大きな意味がある」
本人もつらいと思う。チームとして支えていければ
開幕戦当日、チーム全員にSEIKOの高級腕時計を贈ったことも話題になった大谷だが、決して言葉数が多い方ではない。ロハスの件についても短めにこう語った。

