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《阪神Wエース対談》才木浩人&村上頌樹が語る“一番大切なボール”とは?「自分はまっすぐがなくなったら死ぬタイプ」「才木は真似できないスタイル」

posted2026/04/22 18:15

 
《阪神Wエース対談》才木浩人&村上頌樹が語る“一番大切なボール”とは?「自分はまっすぐがなくなったら死ぬタイプ」「才木は真似できないスタイル」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

阪神タイガースのWエース村上頌樹(左)と才木浩人

text by

遠藤礼(スポーツニッポン)

遠藤礼(スポーツニッポン)Rei Endo

PROFILE

photograph by

Asami Enomoto

 セ・リーグ連覇、そして日本一奪還を果たすには、マウンドに立つ彼らの圧巻のピッチングが不可欠だ。虎投手陣を牽引する2人が、対峙するバッターを捻じ伏せる上で要となる「まっすぐ」を深掘りする。
 発売中のNumber1141号に掲載の[先発2本柱対談]才木浩人×村上頌樹「ストレートにこだわる両エースの“直球論”」より内容を一部抜粋してお届けします。

ピッチャーにとって「一番大切なボール」

 歳を重ねても、立場が変わっても、ピッチャーは“究極の直球”を追い求める。黄金期を迎えつつある今年の虎を牽引する先発2本柱も、「一番大事な球種」と口を揃えた。才木浩人はスピンのかかった最速158kmの剛球を投げ、村上頌樹は打者の手元で微妙に横変化する“まっスラ”を操る。同じようで全く違うストレートを愚直に磨き続ける同世代の二人が、直球について大いに語り合った。

――お二人にとってまっすぐの重要性は?

村上 やっぱり一番大事な球種だと思っていますし、変化球もまっすぐが生きていないとダメです。ピッチャーにとって一番大切なボール。小さい時からずっと投げていますけど、奥が深いですよね。

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才木 全く同じ考えですね。小さい頃からキャッチボールで投げるのは、ほとんどまっすぐ。まっすぐでそのピッチャーの特徴がだいたい分かるっていうくらい、象徴的な球種じゃないですかね。変化球主体のピッチャーも、まっすぐをしっかり投げられないと勝負できない。村上ならまっスラ。逆にナチュラルにシュート回転する人もいれば、落ちる人、浮き上がるようにホップする人もいます。自分に合ったまっすぐをどれだけ突き詰めて投げられるかが大事。人にクセがあるように、まっすぐにも絶対にクセがあります。その特徴をどれだけ理解できるかはその人次第だけど、追求していくのはすごく大事かなと思っています。

真っ直ぐをめぐる理想と現実

村上 自分ではストレートを投げて、軌道もまっすぐいってるつもりなんです。でも、勝手に曲がってしまいます。それはもう仕方ないですし、割り切って強く、伸びていくことをイメージしながら投げています。ボールが垂れたり、弱くならないようにも意識していますね。正直、純粋なまっすぐを投げたい気持ちはありましたよ。右打者のアウトコースに投げた球がまっスラするせいでボール1個分外れてストライクにならなかったりして、結構、嫌やったんです。普通のストレートならストライクやったのに……って。でも、プロ入りしてキャンプの時にブルペンの打席に入った近本(光司)さんが、「このまっスラ、嫌だよ」と言ってくれたんです。そこでやっと吹っ切れました。良い打者に打ちづらいと言ってもらって、これは武器になるな、もう直さなくていいやって。そこからまっスラを磨いていこう、伸ばすためにどうしよう、と考え始めました。才木は自分とは逆で、綺麗なまっすぐを投げるよな。

才木 自分はまっすぐがなくなったら死ぬタイプだと思ってる。相手が嫌がるボールというより、どれだけ最高のボールを投げられるかがすごく大事。まっすぐの質を落とさないために、特徴である回転数、ホップ成分をどれだけ上げていけるか。その要素を突き詰めることが、自分のピッチング全体のレベルアップにもつながる。

村上 自分は相手を見ながらどんな反応するか、どういう球を待っているかを察知して、相手の裏をかくタイプ。まっすぐを投げないといけない場面でしっかり投げられるように意識しています。才木は「最高のボールを投げる」という考え方がそのまま試合に出ている。投球のパーセンテージを見ても、ほぼ直球。そのスタイルで数字を出していることは、相手が直球と分かっていても打たれていない。自分には真似できないスタイルですね。

【次ページ】 2人にとっての「生命線」は?

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