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[天王山での駆け引き]山本昌「狐と狸は化かし合い、左腕は虎を牛耳った」
posted2026/04/23 09:00
text by

熊崎敬Takashi Kumazaki
photograph by
SPORTS NIPPON
2006年シーズンも終盤、9月半ばに迎えた阪神タイガースとの首位攻防3連戦。川上憲伸の8回無失点の快投によって第1ラウンドを制した中日ドラゴンズは、阪神とのゲーム差を5に広げて独走態勢に入ろうとしていた。
そして迎えた第2ラウンド、ナゴヤドームのグラウンドに現われた山本昌は、さっそく地元テレビ局のスタッフに捕まった。
――昌さん、調子はいかがですか?
「まあ、いいですよ」
――優勝は見えてきましたか。
「今日も勝つといいですねえ」
予告先発がなかった当時、この日のスポーツ紙は全紙、先発に朝倉健太を予想していた。昌自身も、どこかリラックスした口ぶりである。
しかし、思いもよらないことが起こる。ふたを開けたら中日の先発は昌。それどころか、エラーによる走者をひとり許しただけの準完全試合をやってのけたのだ。41歳1カ月でのノーヒットノーランは、いまも破られていない史上最年長記録である。
「阪神は、先発がぼくだと知ってびっくりしたと思います。ビジターチームはホテルでミーティングをしてドームに乗り込みますが、そこでは朝倉の配球傾向や調子なんかが選手たちに伝えられていたはずです。いずれにしろ、前日の完封に続いてぼくのノーヒットノーランでしょ? 阪神は強いですけど、さすがに息の根を止めたと思いましたね」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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