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「最高だけど最悪」阪神・大山悠輔が語った“山あり谷ありの1年”…年の瀬に見た『栄光のバックホーム』元チームメイトの短すぎる人生を目に焼き付けて
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佐井陽介Yosuke Sai
photograph byAsami Enomoto
posted2026/04/22 11:04
2016年にドラフト1位で入団後、阪神で10年目のシーズンを迎える大山悠輔
「横田が復帰に向けて地道に努力している姿もずっと見続けてきました。しんどかったはずなのに、会えば気を遣うのが失礼になるぐらいに明るくて……」
訃報から1週間が過ぎた7月25日。追悼セレモニーが催された直後の巨人戦で、大山は決勝弾となる逆転2ランを放った。仲間とのハイタッチを終えたあと、ヘルメットを甲子園の夜空に掲げた光景は今も記憶に新しい。
お茶目で優しい横田のことが大好きだった。だからこそ、今でもあの満面の笑みを思い出すたび、胸が締めつけられる。その苦闘が描かれた映画と向き合うには少なからず勇気が必要だった。
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「でも、見に行けて良かったです」
大山は今も昔も他者を思うことで心を奮い立たせる。
昨季は歓喜と苦悩が入り乱れた。
献身性にあふれる5番打者として3番・森下翔太、4番・佐藤輝明という後輩2人を支え、リーグ史上最速での優勝を成し遂げた。だが、秋が深まると状況は一変。日本シリーズではソフトバンクに1勝4敗と圧倒され、最後は敗北の余韻だけが残った。
最高で最悪の1年
「優勝できたという意味では『最高』と表現できるけど、個人的には『最悪』とも表現できてしまうシーズンでした」
他ならぬ大山本人の言葉が山あり谷ありの1年間を如実に物語る。
阪神打線は日本シリーズ5試合で計8点しか奪えなかった。5番以降の打者がなかなか快音を響かせられず、とりわけ大山は18打数1安打と大ブレーキ。戦犯の1人と各方面から名指しされた屈辱を、当事者が脳裏から消し去れるわけがない。
「あの悔しさが頭からなくなることはないでしょうし、いつかユニホームを脱ぐ瞬間まで絶対に忘れてはいけないものだと思っています。日本シリーズで結果を出せなかった弱さ、自分自身に感じた腹立たしさや情けなさは今後、必ずモチベーションに変えていくつもりです」
日本シリーズでは後悔を残した打席が複数あった。中でも初戦の6回表、逆転に成功した直後の打席をどうしても納得できずにいた。
1点ビハインドから同点に追いつき、1死三塁から4番・佐藤輝が右中間に適時二塁打を放った。1点を勝ち越して、なおも1死二塁。ここで5番・大山が投ゴロに倒れた場面である。
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