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「高校野球の7回制に賛成です」“強豪じゃない”公立校監督が明かした本音…7回制反対派の記者が現場で聞いた「野球って長いイメージあるので…」
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樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2026/04/17 11:00
他校の試合をのんびり観戦する水戸三野球部の選手たち
1面で特集した4月8日の日刊スポーツ記事はさすがだった。今春のセンバツ出場32校の監督全員にアンケ―トを実施し、反対(どちらかといえば反対も含む)が8割(25人)だった。「競技が変わってしまう」「もっと見直す課題がある」「結論ありきで進んでいる」。長崎日大の平山清一郎監督(46歳)は「断固反対。7回制によるメリットは他で補える。デメリットはもう取り返しがつかない」と大反対だ。そうだ、そうだー! やっぱり優先順位が間違っている。そう鼻息を荒くしていた時、茨城で異常な熱量を放った監督に出会った。
「7イニング制に賛成です」
県立水戸第三高校の柴田優太監督(41歳)。彼は筆者の「9イニング至上主義」に対して「ナンセンスですねぇ」と一笑した。そして軽やかに言った。「7イニング制に賛成です」。以下、柴田監督との問答を抜粋したい。
――賛成って、どういうことですか!?
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柴田 野球ってすごい長いイメージあるので、そこももう変えていかなきゃいけないのかなと思うんです。もちろん「筋書きのないドラマ」が野球の良さだと思うんですけど、これから持続可能なスポーツにしていくためには、野球も変わっていくんだぞ、っていう所を見せなきゃいけないと思うんです。
――それって、自分がやってきた野球を否定することにはなりませんか?
柴田 え、逆になんでそう思うんですか?
――9イニングでやる野球に惹かれて、観るのも楽しくて、ご自身は野球をやってきたのでは?
柴田 ゼンゼンないですね(笑)。
「抵抗ないです」
――笑。(このあと、数学的な根拠をもとに、3の倍数が大事だと力説する)
柴田 なるほど。でも僕は決まったルールの中でなんとかするっていうのが好きなんです。だから7イニングになったらなったで「野球が大きく変わるタイミングが来たな」「今がベストなタイミングかも」って思っちゃうんですよね。
――タイブレークや、DH制。これまでもルールが変わる中やってきましたものね……。
柴田 そう。ぜんぜん抵抗なくやってきました。むしろ、高野連すごいじゃん!変わろうとしてるじゃん!って思われると思うんです。自分ではどうしようもないことを受け入れる姿を、子どもたちにも教えていかなきゃいけないとも思うんです。
一理あるな、と思ってしまった。
同時に、これまで7回制について表に出てくる意見は、超強豪校の監督やプロ野球のレジェンドOBによるものが大半であったことに気づいた。数で圧倒的に多い“普通の野球部”は、この問題をどう捉えているのだろうか。
賛成派から興味深い意見が集まった――。
〈つづく〉

