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「将棋の内容が良くない」名人・藤井聡太23歳は話したが…“不調説”一掃のタイトル戦6連勝、糸谷哲郎37歳の「斬新な」初手端歩を退ける充実ぶり
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田丸昇Noboru Tamaru
photograph by日本将棋連盟
posted2026/04/15 06:00
名人戦4連覇に向けて好発進を切った藤井聡太名人
その後、糸谷は飛車を5筋に転じて中央の位を取った。藤井が飛車を8筋に戻すと、糸谷は角の利きでその飛車を抑えた。ただ以降の指し方が難しく、二歩損にもなった。1筋の端歩の突き越しの成果は当面はなさそうだ。私は公式戦で糸谷側を持って何局か指したが、何かと腐心した覚えがある。糸谷も慣れない将棋で思い悩んだようだ。少考を重ねる苦心の指し手が続いた。
藤井は自然な手順でリードしたが、攻め急がないで自陣を整えた。一方の糸谷は普段の対局では決断よく早く指すが、名人戦では残り時間が藤井より早く1時間を切った。
不調説を一掃…藤井はタイトル戦6連勝
藤井が2筋と1筋から歩で細かく攻めると、糸谷も角銀取りに桂を打って反撃した。ただ玉の守りの堅さから、攻め合いは藤井が勝った。糸谷が相手の飛車を取りにいくと、藤井は飛車を助けながら寄せにいく桂打ちの妙手を放った。
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これが決め手となり、最終的には藤井名人が136手で勝った。終局時刻は21時5分。残り時間は藤井6分、糸谷1分。藤井は糸谷の粘りと猛追を冷静に対処して先勝した。逆転防衛した王将戦と棋王戦を含めて、タイトル戦の対局で6連勝。一時期に流れた不調説は一掃された。
糸谷は初めての9時間の対局で、残り1分まで頑張って指した。苦しい形勢でも折れることなく最後まで粘った。今後の対局では新しい構想を見せたいという。名人戦第2局は4月25、26日に青森県青森市で行われる。
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