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「高校野球では登板わずか1イニング」無名の161km右腕にダルビッシュ有が唸った「球は本当にメジャーレベル」侍ジャパンの“隠し球”21歳の現在地 

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山田結軌

山田結軌Yuki Yamada

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posted2026/04/11 11:02

「高校野球では登板わずか1イニング」無名の161km右腕にダルビッシュ有が唸った「球は本当にメジャーレベル」侍ジャパンの“隠し球”21歳の現在地<Number Web> photograph by JIJI PRESS

まさに「幻の侍ジャパンメンバー」だった21歳の右腕、バルザー・ブライアンとは?

 日本で育った期間が長いため、入団当初は決して英語が堪能ではなかった。しかし、通訳なしの生活を送るなかで語学力は向上した。いまはコーチの指示もチームミーティングも、選手間のコミュニケーションも英語で理解している。

「どれだけメカニック(投球フォーム)とか考えずに投げられるか。試合では落ち着いて、どれだけ自分の投球に集中できるか、を課題にしています」

バルザーが描く「最高のシナリオ」

 21歳の世代は、日本なら大学生がドラフト指名を待つ年齢だ。だからこそ、その目は来季はメジャーを見据える。バルザーは4月2日(日本時間3日)、マイナー1Aの開幕戦となったオンタリオ(ドジャース傘下)戦で開幕投手を務めた。4イニングで68球を投げ、2安打1失点、2四球、7三振の成績を残した。ストレートの球威は十分で、スライダーはストライクを稼ぎ、決め球に使うこともできた。

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「シーズン頑張ります。今季は成績を残したい。今まではポテンシャルで評価されていた。だから、結果を残したい」

 常総学院高時代、公式戦で投げたのはたった1イニングだけ。しかし、海を越えパドレスの育成システムで段階を踏むなかで右腕はメジャーを目指すにふさわしい実力をつけている。 

 現地時間の4月9日には、今季2度目の先発となるランチョクカモンガ(エンゼルス1A)戦に登板。5回62球を投げ、2安打無失点、3四球、4三振と好投した。マイナーで勝敗を重要視されることはないが、今季初勝利を挙げ、最速は98マイル(158km)をマークした。

 初球のインゾーン率(ストライクゾーンに投げた割合)は67%(18人中、12人に対して初球ストライクゾーン)。試合全体でのインゾーン率は52%だった。3四球を与えたが、昨季から課題にしているストライクゾーンに積極的に投げるための制球力は確実に向上している。コンスタントに実力を示していけば、夏前にハイAへの昇格も現実味を帯びる。

 描く最高のシナリオは、来季にメジャーデビューし、ダルビッシュや松井と共にワールドシリーズで投げること。そして2028年のロサンゼルス五輪で日本代表メンバーに名を連ね、次回のWBCで侍ジャパンの世界一奪還に貢献すること。その未来図は決して夢物語ではない。〈前編も公開中です〉

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