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「井端監督の限界」大谷翔平がいても山本由伸がいても勝てない現実…韓国メディアが冷徹分析「WBCアジア野球“全滅”」への危機感も吐露
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キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byNanae Suzuki
posted2026/03/19 17:25
惜しくも準々決勝敗退となった侍ジャパン。隣国・韓国は井端監督の采配に疑問を投げかけた
ベネズエラの左腕エマニュエル・デヘスス(デトロイト・タイガース)。4回に登板すると、大谷を外角のスライダーで空振り三振に仕留めるなど、2回1/3を無失点に抑える完璧なリリーフを見せた。
『スポータルコリア』は「日本の11連勝を止めたエースがKBO(韓国プロ野球)出身だったとは…日本を破り17年ぶりの4強進出に導いた左腕の驚くべき経歴」との見出しで大々的に報じていた。デヘススは2024年にキウムヒーローズ、25年にKTウィズでプレーした経歴を持つ。韓国メディアにとって、この三振は単なるアウト一つではなかった。
なぜデヘススは大谷を抑えられたのか――その背景には「打高投低」と言われる厳しいKBOリーグで揉まれた経験があるという分析がある。デヘススは2年間で通算62試合、330イニング以上を投げ、24年には13勝、25年には開幕投手を務め、9勝を挙げている。
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「自分たちが育てた(あるいは自分たちのリーグで磨かれた)投手が、世界一の打者を封じた」――。日本に敗れ、世界との差を痛感していた韓国にとって、デヘススの快投は「KBOのレベルは決して低くない」という、かすかな希望の光となったのである。
侍ジャパン敗退で危機感…なぜ?
しかし、デヘススの活躍を誇る時間は長くは続かなかった。メディアの関心はすぐに、アジア野球全体が直面している“冬の時代”へと向かった。
『ソウル新聞』は「日本も敗れて列島は大衝撃……大谷がホームランを打っても脱落……WBCでアジア野球は全滅」との見出しで、事態を深刻に受け止めた。かつて日本と韓国が4強、決勝で覇権を争った時代は、遠い過去のものになろうとしている。
韓国国内では、今大会を通じて“日本ですら勝てない世界の壁”を突きつけられ、自国への危機感がさらに強まっている。
『マニアタイムス』は「日本は世界の頂点を目指すが、韓国は台湾や豪州に戦々恐々としている。華やかなセレモニーの工夫ばかりしている現実だ」と、観客動員の記録を更新し続けている国内リーグの盛り上がりに反比例する国際競争力の低下を嘆いた。さらに、かつて打倒・日本を叫んでいた韓国だが、いまや「日本はもはや視界から消えるほど遠くへ行き、背後からは台湾や豪州の足音が迫っている」という自戒の念に包まれている。
日本がベネズエラに敗れたことは、韓国にとって決して他人事ではない。アジアの盟主を自負してきた日本が、投手運用一つ、采配一つで崩れ去った。
もちろん今大会決勝で米国を退け、初優勝したベネズエラの総合力が日本のみならず、他国を上回っていたとも言えるが、その姿は、より基盤の脆弱な韓国野球にとって、自分たちが直面している深い闇を映し出す鏡でもあった。マイアミで散った侍ジャパンの姿は、そのまま韓国野球界に「どう生き残るべきか」という重い問いを突きつけたのではないだろうか。


