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「井端監督の限界」大谷翔平がいても山本由伸がいても勝てない現実…韓国メディアが冷徹分析「WBCアジア野球“全滅”」への危機感も吐露 

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キム・ミョンウ

キム・ミョンウKim Myung Wook

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posted2026/03/19 17:25

「井端監督の限界」大谷翔平がいても山本由伸がいても勝てない現実…韓国メディアが冷徹分析「WBCアジア野球“全滅”」への危機感も吐露<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

惜しくも準々決勝敗退となった侍ジャパン。隣国・韓国は井端監督の采配に疑問を投げかけた

 次に監督の采配にまで踏み込んだのが『スポーツ韓国』だ。同メディアは日本の敗退を「井端監督体制の限界」と結びつけた。2024年プレミア12での準優勝、そして今回のWBCベスト8敗退という結果を受け、「指揮官は替わったが、『世界最強』日本の威容は影を潜めた」と厳しい言葉を並べている。

 特に韓国メディアが焦点としたのは、ベネズエラ戦での山本由伸の交代タイミングだった。山本は69球を投げ、4回にはこの日初めての三者凡退を記録して調子を上げていた。だが、大会規定の球数制限(80球)を意識してか、井端監督は5回からの継投を選択した。

 同紙は「あと2人程度は十分に抑えられた可能性があった」とし、この交代が勝負の流れを手放す決定打になったと分析。栗山英樹前監督が世界一へ導いた時代と比較し、「短期決戦において、指揮官の力量が代表チームの競争力をいかに左右するかを如実に示した」と総括した。この視線には、自国の代表監督に対しても常に厳しい評価を下す韓国メディア特有の“名将待望論”が投影されているようにも映る。

「我々は大谷時代を生きている」

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 日本の敗退に冷徹な分析を加える一方で、大谷翔平という個人に対しては、韓国メディアは一貫して畏敬の念を持ち続け、その人間性について改めて大絶賛していた。

『スポーツワールド』は「あの時も今も……我々は大谷時代を生きている。今も、そしておそらくこれからも」との見出しで、こう最大級の賛辞を贈った。

「2023年大会に続き、再びWBCの舞台に立った大谷翔平は、名実ともに唯一無二の世界的スーパースターであることを証明した」
「初戦の満塁ホームランをはじめとする圧倒的な実力はもちろん、対戦相手への敬意を忘れない品格、そしてファンを大切にする姿勢は、まさに全方位で完璧と言える」
「韓国代表の若き才能、キム・ドヨンは『世界の壁を感じた』と驚きを隠せずにいた。全世界、同僚たちも魅了する大谷。大谷シンドロームが持続するのには理由がある」

 実力はもちろん、韓国メディアを驚かせたのはその“品格”だ。『スポーツ東亜』は、韓国の国歌斉唱が終わった後に拍手を送り、試合後に相手チームを称えた振る舞いに注目。「大谷が韓国に見せた尊重と礼儀」という見出しで、スターとしての器の違いを強調した。

 また、『スターニュース』は、ドジャースで同僚のキム・ヘソンについて大谷が「人間的にも本当に素晴らしい友人」と語り、試合後にハグしあった光景も大きく報じていた。ライバル国の選手でありながら、もはや大谷は韓国にとっても“嫌悪”の対象ではなく、純粋な憧れとリスペクトの対象へと昇華している。

 その大谷を、大一番で空振り三振に仕留めた投手が、かつて自分たちのリーグで投げていた――。この事実は、17年ぶりに8強進出しながらも準々決勝でコールド負けを喫して傷ついた韓国野球界の自尊心を大いに刺激してもいた。

【次ページ】 「打高投低」韓国野球で揉まれた左腕デヘスス

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