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侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
「当然、若月に代打を送ると…」なぜ周東佑京は“出場しなかった”のか?「周東をスタメンに」まさかの敗北、WBCベネズエラ戦前にあった“幻の起用プラン”
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2026/03/18 11:01
ベネズエラ戦直前の周東佑京。「侍ジャパンの切り札」は最後まで投入されなかった
当然、若月に代打を送るとみられたが…
9番・若月健矢から始まり、1番の大谷に続く打順。当然、若月に代打を送るとみられたが、ここで首脳陣は動く気配を見せなかった。6回の攻撃で代打の準備をしていた小園海斗内野手、あるいは先発を外れた近藤健介を代打に送り、出塁すれば周東を代走に送るオーソドックスな一手も、打撃好調な周東を代打として送りだす一手もあっただろう。
ベンチが勝負をかけなかった理由として考えられるのは、この回から交代したアンヘル・セルパが左であるという点で、小園、近藤、周東という左打者との相性を憂慮したか、あるいは若月に対する捕手としての信頼ゆえなのか……。結果的に若月は三振に倒れ、大谷、佐藤輝明も凡退し、日本は中盤の5回から7回まで一人の走者も出せず、チャンスを作ることすらできなかった。
コーチが明かしていた、起用法の苦悩
「1人しかいないんですよ、周東佑京は……」
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1次ラウンド最終戦のチェコ代表戦後、金子誠ヘッドコーチが口にしていた言葉だ。周東はこの試合で開幕後初めて先発出場。7回に内野安打を放ち、すぐさま盗塁を成功させて自慢の俊足で沸かせただけでなく、8回には1点リードの2死一、二塁の場面で右中間スタンドに3ランホームランを放った。韓国との第2戦では途中出場して守ったセンターで守備範囲の広さを生かしたビッグプレーを見せており、ここ一番の「代走」としてだけでなく先発出場選手として日本代表の大きな武器になり得る可能性を大いにアピールした機会となった。
金子コーチは周東の起用法について、井端監督の悩める胸の内をこう代弁していた。
「出る前から色々なイメージを作れますよね。今日はスタート(先発)でしたけど、勝負どころで相手をかき回すような動きができるので。とっておくのか、どの場面で使うのかは大事になるかと思います。切り札が少ないだけに。攻撃力もあるので、早めに行っても攻撃のところも期待できる。すごく(起用法は)幅広いんですけどね……」

