濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「17歳高校生ファイター」「RIZINの前田敦子」が勝利…SNSで“見下された”女子選手のホンネ「“見たか”って感じですね(笑)」RIZIN女子戦線の未来
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2026/03/16 11:01
RIZIN3戦目でイ・ボミから一本勝ちを収めた現役高校生ファイターのNOEL(17歳)
身長15センチ差も…大島が無効化したケイトの攻撃
試合が始まってからも、両者の思惑はすれ違った。打撃が得意なケイトと、寝技での“極め”に秀でた大島。1ラウンドから打撃をかいくぐって大島が組み付き、テイクダウンに成功する。身長はケイトが164cmで大島が149cm。リーチにも12cmの差があったが、大島は絶妙な距離感でケイトの攻撃を無効化していた。
だがグラウンドになると、大島も思うように攻められない。コツコツとパウンドは当てるものの、ケイトのクローズドガード(相手の体に足を絡めるディフェンス)で関節技への移行を阻まれた。
判定勝ちを収めた大島だが「凄く対策されていて、私も警戒してしまった」と振り返っている。クローズドガードはやりにくかったと。身長差があるだけに、抑え込んだ状態をキープするだけでも大変だった。
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逆にケイトは大島のアームロックを警戒して、ディフェンス重視になってしまったと言う。「怖がらずにガードを外して立ちにいくべきでした」と。
この辺りが相性というのか噛み合わせ、勝負のアヤというものだ。少し展開が違えば、動きの多い試合になっていたかもしれない。「今は“また積み上げていきます”と堂々と言うことはできないです」とケイト。大島も「勝ったからといって前に進めたわけではない」と反省を口にした。
敗れた側にも、噛み締めがいがあった
「私のことは嫌いでも、RIZINと女子格闘技は嫌いにならないでください」
試合後のリングで前田敦子の“名言”もオマージュした大島。フライングゲットのポーズも決めてみせた。実は娘たちと3人でやるつもりで、家で練習していたそうだ。
「でも恥ずかしがっちゃって。髪型も揃えてきたのに」
そんな微笑ましいエピソードもありつつ、RIZIN女子部門の新たな10年が始まった。榊原信行・現CEOが「女子にはメチャクチャ力を入れます」と宣言した旗揚げ会見から11年。勝ち負けの悲喜交々に男子も女子もない。勝ったNOEL、大島、敗れたケイト、イ・ボミ。それぞれの闘いに“噛み締めがい”があった。



