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侍ジャパンPRESSBACK NUMBER
17年ぶりWBC8強…韓国野球は“暗黒時代”を抜けるのか?「日本の高校球児13万人、韓国は3200人」謙虚な英雄イ・ジョンフら台頭も、野球離れの現実
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キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byGetty Images
posted2026/03/12 11:01
大谷翔平とドジャースで同僚のキム・ヘソン、韓国代表の主将イ・ジョンフ
プレーもさることながら、今回のWBCで際立つのは勝負強さとリーダーシップだ。その裏には韓国野球のレジェンドである父から授かった「常に謙虚で、誠実な人間であれ」という教えがある。
イ・ジョンフの人柄を表すエピソードを紹介していたのは『中央日報』だ。
記事によれば、WBCの開幕前、22歳のアン・ヒョンミンのもとに海外メディアから短いインタビューの要請があった際、イ・ジョンフは記者の了承を得てダグアウトの後ろに後輩を連れ出したという。その後、アン・ヒョンミンは英語が話せるKBOスタッフと共に戻り、取材対応した。このシーンについてイ・ジョンフ本人はこう答えている。
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「正式に通訳を通して話すようにしただけです。言葉というのは、一つの言動で違った意味で表現されたり、解釈されたりしますよね。MLBでも英語を話せる外国人選手でも必ず通訳を通じてインタビューするんです。もし、ヒョンミンが適当に話した英語が違った意味で伝わったならば、それがストレスになることもあると思って、未然にそれを防ぎたかった」
プレーだけでなく、主将としてグラウンド外でもチームの一挙手一投足に目を光らせていたという。
侍ジャパン井端監督との深い縁
日本の生まれとあって、韓国では「日本代表になることも可能なのか」という“仮定の議論”に火がつくほど、その存在感は大きい。さらに今回、日韓の野球ファンの関心を集めたのは侍ジャパンを率いる井端弘和監督との縁だった。
井端監督は現役時代、中日ドラゴンズでイ・ジョンボム氏とプレー。韓国メディアでも「名古屋から始まった日韓の深い縁」と紹介され、当時のロッカールームには幼いジョンフの姿があったことが伝えられていた。井端監督も会見でイ・ジョンフへの印象についてこう明かしている。
「お父さんと一緒にプレーさせてもらって、彼が名古屋で生まれたての頃も見ましたし、そういう選手がMLBで活躍してるのはうれしい。若くして代表になって、山本(由伸)投手からもヒットを打って、年々力をつけている。今日の試合もひとスイングで確実にヒットにするのはレベルが上がっている。非常にいい選手」
国境を越えた「師弟」の物語としてイ・ジョンフの存在は、日本の野球ファンでも長く知られることになるだろう。


