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“痛恨の失投”を帳消しにする吉田正尚の逆転ホームラン「よく一緒にラーメン屋に行った」旧友・若月健矢を救ったWBC男の勝負強さ
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米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byHideki Sugiyama
posted2026/03/11 11:00
八面六臂の活躍でWBC予選ラウンド1位通過に大きく貢献した吉田正尚(32歳)
若月は花咲徳栄高校から2014年に入団し、吉田は青山学院大学を経て2016年にドラフト1位で入団。2歳違いの2人は気が合い、まだ神戸にあった“青濤館”の寮生だった頃は、よく一緒にラーメンを食べにいく仲だった。
「本当にすごいですよね。こんな人と一緒にやってたんだなーって、感慨深いです。正尚さんはもう、雲の上の存在(笑)」と、若月はまるで遠い世界のことのように話していた。
それから3年経った今年、実力と実績を評価された若月はWBCのメンバー入りを果たす。
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今大会の出場選手30名の最後の1枠で吉田の名前が発表された際には、「正尚さんじゃないかなとは思っていましたけど、また一緒にユニフォームを着ることができて嬉しいです。正尚さんがいるのは心強いですよね」と表情を緩ませた。
その若月が救われた。
先制点を許した痛恨のエラー
3月8日に行われた第3戦は、オーストラリアの投手陣を侍打線が打ちあぐねた。四球などで塁は埋めるが、あと1本が出ない。菅野智之、隅田知一郎と若月のバッテリーも精度の高い投球で0を並べたが、6回表、A.ホワイトフィールドが三盗を仕掛けた際、若月の送球が逸れ、レフト前に転がる間にランナーが還り、先制点を奪われた。
しまった――。若月は心の内がありありと浮かぶ表情で立ち尽くした。


