濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
「嫌な予感はしてた…」桜庭大世はなぜグスタボと“血まみれの殴り合い”を選んだのか?「親父を見てるよう」桜庭和志と重なった、目が離せない魅力
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橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2026/03/10 17:22
『RIZIN.52』でルイス・グスタボに敗れた桜庭大世
「一番激しい、血まみれ汗まみれみたいな試合になる」
ポテンシャル、アグレッシブネス、キャリアが浅いからこその短期間での急成長。こうした要素を踏まえれば、グスタボとのマッチアップも“もしかしたら”と思えた。予想以上に無鉄砲だったのは、その闘いぶりだ。
「引くっていうことはしたくないです。試合後に飲みに行きたいし綺麗に試合を終わりたい気持ちもあるんですけど、今までで一番激しい、血まみれ汗まみれみたいな試合になると思ってます。満身創痍でボロボロになってもっていう」
最終的には寝技で一本を取りたいとしつつ、打撃戦を避けるつもりもなかった。試合がスタンドから始まる以上、寝技が得意な選手も何らかの形で打撃を“クリア”しなくてはいけない。
「嫌な予感はしてた」真っ向勝負の打撃戦に
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グスタボ戦も、いかに打撃をかいくぐって組みつくかがポイントのはずだった。だがリングで向かい合うと「血まみれ汗まみれ」の覚悟が前に出た。
タックルを混ぜながら、真っ向勝負の打撃戦。身長とリーチで上回っていることもあり、“倒し屋”であるグスタボに臆することなく左ミドルキックを打ち込んでいく。カウンターのヒザ蹴りもタイミングよく入った。
殴り殴られ、蹴って蹴られて。戦前の言葉通り血を流しながら闘う大世。まさにシウバと打ち合う父のようだった。
プロモーターとして桜庭vsシウバも、桜庭vsグスタボもマッチメイクしたRIZINの榊原信行CEOは、こう語っている。
「嫌な予感はしてたんですよ。試合前に“打撃が好きだ”と言っていて。もう少しグラウンドにこだわってもよかったんじゃないかと思いますが、これもいい経験でしょう。
スタイルが親父と同じでね。親父の試合も、我々はいくな、いくな(攻めすぎるな)と言いながら見ていたんです。シウバ相手でも気が強いから打ち合ってしまう。だから今日は親父を見ているようでしたね。凄く魅力的な試合でした」


