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大谷翔平が一度NG「やっぱダメだな。もう1回考えて」日本ハム・北山亘基(26歳)はなぜ愛されるのか? 真面目な北山が“お茶ポーズ”を生み出すまで
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph bySankei Shimbun
posted2026/03/08 11:01
試合前の円陣でお茶を点てるポーズをする北山亘基(26歳)
決定版は、左手で茶碗を持ち右手で茶筅をかき回すようなポーズ。3日の阪神戦では1回にレフトへ豪快な先制ソロを放った鈴木がしっかりと披露し、ベンチで出迎えたメンバーもこれに応えた。ようやく形になったセレブレーションに、試合後の北山は「大役はこれで果たした。ちょっと違う重責だったので、そこから解放されてようやくピッチングに専念できるかなと思う。今日は爆睡できます」と安堵の表情を見せていた。
「ファイターズの北山です」「今言う(笑)?」
それにしてもなぜ、大役を任されたのが北山だったのか。昨シーズンは日本ハムの先発ローテの柱としてパ・リーグ2位の防御率1.63を記録するなど堂々たる実績の持ち主だが、どちらかと言えば地味なタイプ。前回大会メンバーで盛り上げ役の牧秀悟(DeNA)や大勢(巨人)のような“陽キャ”でもない。
4日に行われた公式会見で、大谷は「特に理由はないんですけど」と笑顔を見せながら、「真面目で大人しくて、僕自身が気を遣われるのが嫌なタイプなので、お互いに打ち解けていく中で気軽に話せたらいいなっていう思いで」と説明していた。2022年に日本ハムに入団した北山と在籍期間は重なっておらず、それまでに接点もない。しかし代表に初めて合流した2月27日、名古屋で行われた中日との壮行試合の最中には、ベンチで鈴木と大谷を両脇にして楽しげに談笑する姿が。
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「僕が1人で座っていたら、(二人に)挟まれて潰されそうになっていたんですけど……。僕もなかなかちゃんと挨拶できていなかったので、そこで『ファイターズの北山です』と言ったら、『今言う?』みたいな感じで笑われて。そこから色々と他愛のない話をしてもらった感じです」
この出会いが、大役任命への“伏線”になった。
「本当に真面目で“教授”って感じです」
しかし、北山が選ばれたのはそれだけではない。証言するのは、チーム最年少の23歳、高橋宏斗投手だ。3歳上の北山は、オフシーズンの自主トレ仲間。師匠である山本由伸とともに大阪市内の自主トレ先に通い、矢田修トレーナーの教えを受ける。
「北山さんは本当に真面目で“教授”って感じです。頭が良くて全てを言語化できるんです。話を聞いていると、スッキリ伝わってくる部分と、僕にとっては、もうなんか……言葉が難しいな、って部分が……頭の中でぐるぐる、ぐるぐるします(笑)」
野球やトレーニングの知識だけでなく、世界情勢から生活の知恵まで、あらゆる情報をリサーチする博識右腕。セレブレーションと言えば前回大会では、ラーズ・ヌートバー外野手がカージナルスで当時流行していた「ペッパーミル・パフォーマンス」を持ち込んで、日本中で大ブームを巻き起こした。ポーズの選択によって、実は他国で悪い意味を持つジェスチャーであったり、相手チームをむやみに刺激する可能性もあるだけに、北山の見識は大いに頼りになるというわけだ。
高橋はさらに続ける。


