- #1
- #2
熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「最も美しい光景の一つだ」冬季五輪“ブラジル史上初の金メダル”級に同国記者が感動したのは…「アリサ・リュウと中井亜美のハグ」だった
text by

沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2026/03/01 06:01
女子フィギュアでメダルを獲得した(左から)坂本花織、アリサ・リュウ、中井亜美。ブラジル人記者も感動したという
「欧米や日本などの先進国でもそうだよね。ましてや、ブラジル人が世界トップレベルを目指すためのハードルは非常に高い」
――今後、ブラジルが冬季五輪でさらにメダルを取るためには?
「ブラーテンのようにブラジルにルーツを持つ欧米在住の選手を探して国籍変更を促すのが一つの選択肢だ。今大会でも、スポーツ上の国籍をスイスからブラジルへ移した選手がいた。また工夫をすれば、ブラジル国内でもある程度の練習ができる競技もある。
ADVERTISEMENT
例えば、スキー選手はスキー板にローラーを付けて道路で練習している。スノーボードの選手は砂地で行なうサンドボード、フィギュアスケートの選手はローラースケートで練習を積む。ボブスレーに関しては現在、サンパウロ郊外に練習用のリンクを建設中だ。ただし、氷はないけどね」
日本でも“りくりゅう”が援助を得ていたが
――日本でもアスリートへの公的なサポートが十分とは言い難い。たとえば、フィギュアスケートのペアで金メダルを獲得した三浦璃来と木原龍一も、長年、一般企業から援助を受けて今回の快挙を達成した。
「なるほど。でも、ブラジルではそのような奇特な会社はさらに少ない。その意味でも、ブラーテンのようなスターが生まれたことは今後のブラジルにおけるウインタースポーツの普及と発展のために極めて重要だった」
――あなたは、過去2年間にパリ五輪とミラノ・コルティナ五輪を取材しました。夏季五輪では、多くの選手が結果にこだわる姿が目立った、という印象があるが、冬季五輪ではフィギュアスケート、スノーボードなどの採点競技で選手同士が励まし合う姿が見られた。夏季と冬季五輪の文化の違いをどう思いますか?
「各々のスポーツが異なる文化を持っているのは事実だ。でも、夏季五輪でも種目によって、また選手によってはライバル関係を超えた友情を示す場面が少なからずあった。あくまでも選手次第、と考えている」
アリサ・リュウと中井のハグ…美しい光景だ
――IOCのカースティ・コベントリー会長は「五輪は平和の祭典」と語り、その一例として女子フィギュアスケートで中井亜美が銅メダル獲得を知った直後に金メダルのアリサ・リュウ(アメリカ)からハグされ、祝福を受けたシーンを挙げた。「尊敬し高め合う。平和や団結、尊敬の最高のサイン」と賞賛しました。
「全く同感だね。この大会における最も美しい光景の一つだったと思う」
――取材を終えて、今、思うことは?
「夏季五輪に続いて冬季五輪も現地で取材できて、とても幸せだった。大変なこともたくさんあったけれど、多くの感動を味わうことができた。今後も、引き続き五輪競技の取材を続けたいと思っている」
〈五輪特集:つづく〉

