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坂本花織は抜けたジャンプを“跳び直す”べきだったのか? 女子シングル「僅差の大激戦」を分けたものを本田武史が指摘…「彼女は自分を貫いた」
text by

石井宏美Hiromi Ishii
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2026/02/27 06:03
特筆すべき活躍を見せた日本勢だったが、アリサ・リュウに僅差で及ばなかった坂本は、ジャンプを跳び直すべきだったのか? 本田武史氏が女子シングルを総括した
フリーの滑り出しは「ちょっと緊張しているのかな」と感じたという本田さん。それでも、ジャンプが単発になったとはいえ大きなミスなく演技を終えたのは「さすが」だと改めて坂本に感心する。
坂本らしさを貫いたことの価値
今大会で3度目のオリンピックとなった坂本は、すでに今季限りでの引退を表明している。2017-2018シーズンに17歳でシニアデビューし、当時から力強いジャンプを武器に頭角を現して、シニア1年目にして平昌五輪代表の座に選ばれ、6位入賞を果たした。
22年北京五輪では銅メダルを獲得。4回転ジャンプや3回転半がなくてもメダルを獲ったという事実は、女子シングルの価値がジャンプの難度だけでは計れないことを示した。
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そして、集大成の今大会では前回よりも一つ順位を上げて銀メダルに輝いた。演技後は「悔しい」と涙があふれたが、彼女はこの大会で世界中のファンを魅了し、大きなインパクトを残した。
変化する時代のなかでも彼女は揺らぐことなく頂点に君臨し続け、普遍的な強さを証明したといえるだろう。
「自身2度目の北京大会では、ロシア勢をはじめとする4回転ジャンパーがあれだけ揃ったなかで滑りきってメダルを獲得しました。今回は、“坂本花織らしさ”を前面に押し出したオリンピックだったと思います。大技にチャレンジするのか、それとも本来持つ自分らしさを十二分に出すのか、悩んだ時期もあったと思います。でも、最終的には自分を貫いたことが、表現力や、無駄なく、強く、美しいプログラムの完成度につながっていきましたよね」
やるべきことをやった選手が成功した
男子シングル同様に、女子でもやるべきことをやった選手が勝利し、自分のスケートを貫いた選手がメダルや入賞を手にした。

