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アリサ・リュウ「メダルなんて必要ない」発言の真意「スケート人生はほんの一部」彼女が明かした人生の目標「私のストーリーはなかなかクールなので…」
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野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto/JMPA
posted2026/02/27 17:01
ミラノ五輪女子シングルで金メダルを獲得したアリサ・リュウ。「メダルなんていらない」発言の真意とは…
「スケートは人生のほんの一部です。引退して、スケート以外の人生も送ってみたことで、自分の人生における優先順位や、夢、モチベーションを整理することができました。スケートすることは大好き。だけど必死になって視野が狭くなる必要はないんです。五輪も世界選手権も、私にとっては試合の1つ。たまたまそういう名前がついているだけです」
迎えたミラノ・コルティナ五輪。ショートは昨季から継続のプログラム「Promise」。パーフェクトの演技で3位発進となる。いつもの笑みでインタビューに現れると、語る。
「今日は、復帰した直後や世界選手権のような感傷的な気持ちにはなりませんでした。どちらかというと謙虚な気持ち? これまで私を作ってきたすべてのことに感謝しています。私は新しいことを経験し、成長し続けたいのだなと思いました」
「メダルなんて必要ない」発言の真相
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米国のメディアが「メダル圏内につけましたね」と言うと、驚いたような顔を見せる。
「メダル? メダルなんて必要ない。ただここに存在し、皆に演技を見てもらえるだけで十分です」
記者が質問の角度を変えて「今後の目標は?」と聞くと、今度はこう答えた。
「そうね、明日はかっこいいトレーニングウェアを着るから、お楽しみに。冗談よ。一番の目標はね、ええと、オリンピックガラ(エキシビション)に招待されること。そのために超クールなドレスを作ってきたの。それを皆に見せたいわ」
手を振りながらインタビューエリアを後にした。
フリー本番までは中1日あく。本番前夜には、米国から観戦に来た兄弟や友人と会い「夜遅くまで一緒に夕飯を食べて楽しかったわ!」とリラックス。本番直前の公式練習は、右と左の柄が異なるスパッツ姿で練習し、最後は氷に描かれたオリンピックシンボルを撮影するなど、観光旅行のようだった。
2日後のフリー本番。昨季から継続のドナ・サマーの「MacArthur Park」。ディスコの女王の呼び名を持つグラミー賞歌手の歌声に乗って、まるでパーティーで踊り明かすかのように、滑り抜いた。ジャンプをミスしなかったというよりも、高度なジャンプ要素があることを忘れさせるような演技だった。
226.79点で首位につけ、坂本花織と中井亜美の演技を見守る。中井の銅メダルが決まると、はしゃぐように駆け寄り、ハグをした。
「おめでとう。初出場のオリンピックで銅メダルなんて、すごいことだよ!」
スーパースターが目標ではない…
全身金色の衣装に、金髪と黒髪のしましま模様のヘアスタイル。その胸に、金メダルが輝いた。インタビューエリアに現れると、表彰式を終えたばかりとは思えない、気さくな態度で「Hello!」と記者に挨拶する。



