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「あんなもんじゃないんですよ」個人戦“メダルなし”の小林陵侑に、船木和喜が愛の喝「プレブツに食らいつけたのは二階堂蓮だけ」日本ジャンプ界への思い
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA、Wataru Sato
posted2026/02/23 17:02
今大会では混合団体の銅メダルのみにとどまった小林。船木和喜はどう見たか?
ジャンプ選手が抱える“費用面”のプレッシャー
さらに今日の選手が置かれている競技環境にも言及する。
「二階堂選手の活躍は、所属先が決まって活動資金の面の不安がなくなったことも大きいのではないでしょうか。長野五輪の頃は海外遠征メンバーに選ばれれば、全額出してもらえました。費用の面のプレッシャーがなかったのでジャンプに集中できた。
でも今は違います。例えば今回の代表の一人、中村直幹君はドイツの方で起業して、向こうのスポンサーやお金を集めてやっています。二階堂君は、所属先が決まらなかったり、けっこう苦労しながらやってきました。お父さんと何度かそういう話をしたこともあります。もともとジュニアの中でも力のある選手でしたし、所属先が決まったことで精神的な安定につながり、気持ちのリミッターが外れたような感じがします」
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大会で見えたジャンプの特性、選手の置かれている状況。それらを語った上で、このように総括する。
「次のオリンピックにちゃんとバトンをつなげた大会ではないかなと思います」
そして続ける。
「長野オリンピックは前の大会での団体銀メダルを受け継いで、でも僕たちは次にバトンをつなげなかった。その後、2014年のソチから連続でメダルを獲れている。継続できることで日本のジャンプの選手たちに勇気を与えますし、それを見た子どもたちにまた始めてもらえればいちばんいいなと思います。その役目は果たしました。
さらに、丸山希、二階堂蓮と2人のスターも生まれました。これまで小林陵侑と高梨沙羅が引っ張ってきた負担が、かなり軽減されると思うんですよ。ここからもっと上のレベルに行くのか、楽しみです」

