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「あんなもんじゃないんですよ」個人戦“メダルなし”の小林陵侑に、船木和喜が愛の喝「プレブツに食らいつけたのは二階堂蓮だけ」日本ジャンプ界への思い
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA、Wataru Sato
posted2026/02/23 17:02
今大会では混合団体の銅メダルのみにとどまった小林。船木和喜はどう見たか?
「彼の力ってあんなもんじゃない」
一方で、男子を牽引してきた小林。ラージヒルの2本目で本人もガッツポーズをする138.5mの大ジャンプで1本目の11位から順位を上げ、6位の成績を残した。ただ船木は手放しではなかった。
「ラージヒルの2本目を観て、少し戻ってきたのかなって感じました。彼の力ってあんなもんじゃないんですよ。手のつけられないぐらいの距離を出せる選手で、ヒルサイズを遥かに超えてくるようなジャンプができる選手なんですよね。しかもワールドカップ総合2位ですから、接戦に持ち込まないといけない立場なんですね。
そういう意味では、調子が上がり切る前に迎えた大会であり、上げ切る前に終えたということになるかもしれない」
「4年間の努力が、風一つでなくなってしまう」恐怖
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一方の女子ラージヒルは、ジャンプの一面をまざまざと感じさせる試合となった。めまぐるしく変わる風、そして悪条件の風に苦しむ選手たちの姿があった。
「選手から言わせると、風のせいにはできないんですよ。スキー・ジャンプっていう競技をやってきて、風のせいにするのはすごく楽なことなんですけど、それを全部自然のせいにしてしまうとやっていけない。
ただ、あの試合を通じて、ジャンプが残酷な面を持っていることを皆さんに知っていただくことにもなったと思います。だって、4年間努力してきたものが風一つでなくなってしまうんですよ。オリンピックの代表に選ばれるまでの時間も長いですし、その中で結果を出していかないと、あの場に立つことはできないんですね。過酷な条件が含まれた競技の中で結果を出してきたからこそ、あの場に立っている。それ自体に大きな意味があるんですね」

