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ミラノ五輪 “金メダル大本命”がジャンプ競技で衝撃の「メダル圏外」…優勝候補の「まさかの誤算」と《殊勲の銅メダル》二階堂蓮の「魔法の杖」の正体
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雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph by©Tsutomu Kishimoto/JMPA
posted2026/02/10 18:00
連覇を狙った小林陵侑(左)は8位、今季W杯総合ランキング1位のドメン・プレブツは6位とメダルを逃す波乱があった男子ノーマルヒル
プレブツは台の独特の形状についても、SPORTKLUBなどのスロベニアメディアにこう漏らしている。
「このジャンプ台は半径が感じにくくて少し違和感がある。スピードが遅くて、助走中に感じるG(遠心力)も弱い。空中で操作する余地も少ない」
こうした特徴は日本代表のコーチ陣も語っていたところ。穏やかにとろとろと進む助走路を、さしもの王者も攻略しきれなかった。
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「周りはメダルが当たり前だと思ってるけどそんなことはない。いろいろな状況と2本のジャンプ、そして少しの運がすべてかみあわなきゃ結果は出ない。調子はあくまで一要素。オリンピックというのは全てを混ぜ合わせる魔法の杖なんだ」
W杯総合ランク3位でこの舞台に臨み、ある意味順当にメダルを獲得した二階堂は、プレブツの言う「魔法の杖」を操ることができた選手だった。
その要因は今季見せてきた猛烈な「勢い」にあるのかもしれない。
昨季までの二階堂はまだ殻を破れずにいた。いいジャンプを見せても2本揃えられず、結果に繋がらなかった。しかし、今季はその不安定さを払拭。序盤戦で初めてW杯表彰台に上がると、年明けのジャンプ週間で待望のW杯初優勝を飾るなど次々に自己ベストを更新していった。
選手として急成長する一方で、私生活でも勢いづく出来事があった。1月に結婚を発表。2歳年上の伴侶との出会いについての出会いの話がまたふるっている。
「2年半前ぐらいに飲み屋で会って、僕が酔いつぶれて介抱してもらったのがきっかけでした。『面白いね』みたいな感じでした」
遠隔地の開会式で「先頭で入場」した二階堂
五輪の会場入りしてからも、いい意味で存在感を発揮していた。分散開催となったプレダッツォでの開会式では、帽子にたくさんの日の丸とイタリア国旗を差し、国名のプラカードと大きな日の丸を手に持って先頭で入場。ある意味、旗手だった。
「みんなに『蓮がやれよ』って言われて、旗もプラカードも押しつけられて、てんこ盛りな感じでした(笑)。開会式は楽しもうと思ってて、なんかはっちゃけないといけないと思ってる自分がいたんですけど、そこまでは弾けられなかったですねぇ」

