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小林陵侑も本命プレブツも“まさかの敗戦”…スキージャンプで起きていた“異変”「今季ノーマルヒルはわずか1試合」じつは生かせなかった“最大の強み” 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byTsutomu Kishimoto/JMPA

posted2026/02/10 17:45

小林陵侑も本命プレブツも“まさかの敗戦”…スキージャンプで起きていた“異変”「今季ノーマルヒルはわずか1試合」じつは生かせなかった“最大の強み”<Number Web> photograph by Tsutomu Kishimoto/JMPA

男子ノーマルヒルで五輪連覇を目指した小林陵侑

小林が強みを生かせない、ノーマルヒルの特徴

 また小林やプレブツが表彰台を逃したことには、ノーマルヒルの特徴もかかわっていたのではないか。

 ジャンプはノーマルヒルとラージヒルとがある。ジャンプ台の大きさが異なり、当然、大きなラージヒルの方が飛距離も出る。

 距離が出る分、滞空時間もラージヒルはノーマルヒルより長くなる。ラージヒルでは空中動作で修正する余地がノーマルヒルよりもある。

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 そのため相対的に、ノーマルヒルは踏み切りの技術やタイミングなどが大切とされ、ラージヒルは空中での動作など飛行での技術などが大切だとされる。

 プレブツが際立っている点の1つに空中動作があり、それにより距離を伸ばしていくことができる。そこに強みがある。つまりはラージヒルのほうがミスをカバーできる余地がある。だからプレブツの強みはラージヒルの方がいかされる。

 1本目、プレブツは微妙に踏切りのタイミングが合わなかったように見受けられた。前々日の女子ノーマルヒルで妹のニカ・プレブツが本来のジャンプができず優勝を逃しているが、ともに金メダル獲得を最有力視され、大きな期待を寄せられたことでの重圧はあっただろう。そこをカバーする余白は、ノーマルヒルでは少なかったし、飛型点も、上位の選手ほど得られなかった。

北京五輪では金メダルを獲得できたが…

 また、オリンピック、あるいは世界選手権ではノーマルヒル、ラージヒル双方が行われるが、ワールドカップでノーマルヒルが行われる機会は極めて限られている。今シーズンも、男子ノーマルヒルはわずか1試合のみの実施だった。プレブツは無類の強さを見せてきたが、それはラージヒルでのことで、唯一行われたノーマルヒルはシーズン序盤であったことを考慮するにしても、優勝していないという事実がある。それも示唆的だ。

 プレブツだけでなく、小林も空中動作の巧みさを特徴にあげられてきた。

 北京では、ノーマルヒルにおいて踏み切りをはじめ完璧なジャンプを見せて金メダルを獲得した。ただ、大会の前には、ラージヒルのほうが持ち味を発揮できると予想する元ジャンパーの見解があったのも不思議ではない。

【次ページ】 「合格点のジャンプです」と語ったが…

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