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近藤心音22歳“棄権問題”の論点「相次ぐ転倒、棄権…雪質を指摘する声も」五輪アスリートへの誹謗中傷を「無視すればいい」という無責任さ
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松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2026/02/09 17:21
フリースタイルスキー女子スロープスタイルの公式練習で転倒し、7日に棄権が発表された近藤心音(22歳)
また、2月14日に控えるビッグエアについては、「確定的なことは言えない」としているが、どちらかというと勝負を懸けてきたのはスロープスタイルだ。きっと無念もありつつ、それでも最後まで戦い抜いたという気持ちが、一連の言葉には込められていた。
ただ、事態はおさまらなかった。
近藤がSNSで語った“誹謗中傷への思い”
そののち、近藤はSNSに誹謗中傷のメッセージが届いていることを明らかにし、次のように綴った。
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「私は最大限の努力を最後の最後までやり切ったので、ここまでの行動に何一つ悔いはなく、メディアの方々の前にも自分の意思で表に出て事実を伝える、自分の想いを伝えると決め、どんなに理不尽で残酷な結果も既に受け入れています」
としたうえで、こう記している。
「ただ、これまでの私の生き様も競技のことも何も知らない人がこんなに酷い事を今の状況の私に投げつけてくるという、それがいくら少数だったとしても、許せないなと思います。同じことをやってみて同じ土俵に立ってからどうぞ直接私の目の前で言ってみてください」
アクシデント続出…雪質の影響を指摘する声も
怪我自体、ジャンプ台から飛び出したあとにバランスを崩して転倒したことに由来し、通常の練習の中でのことで、そこに責められる要因はいっさいない。
種目は異なるが、例えばスノーボード男子ビッグエアの元世界チャンピオン、マーク・マクモリス(カナダ)が公開練習中に怪我をして試合に出られなかったように、直前の負傷による試合の欠場は決してまれなできごとでもない。
そして近藤が棄権したスロープスタイルは、いざ試合が始まると、メダルの有力候補とされる選手を含め、転倒やスキー板が外れるなどアクシデントが相次ぎ、その中には棄権する選手もいた。その要因として、雪質の影響を指摘する声もあった。そうした背景も踏まえる必要がある。
そもそもリスクと向き合う中で選手は懸命に取り組んでいる。2大会連続でのアクシデントもまた、責められる要素は何もない。

