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甲子園の風BACK NUMBER
45年前「あの200勝投手」にノーノーを喫して以来の甲子園出場なるか? 21世紀枠候補の公立進学校・長崎西高が立ち向かう「歴史的敗戦」の記憶
text by

内田勝治Katsuharu Uchida
photograph bySankei Shimbun
posted2026/01/28 06:03
甲子園に通算4回出場している長崎西高だが、今のところ最後に出場した1981年夏には名電高の工藤公康にノーヒットノーランを許してしまった
「逆境を好転させるための思考の方法で、『リフレーミング』と呼ばれています。打てないと思っているチームから打たれたら、相手は相当なダメージを受けるんです。そこで選手たちには『ヒット1本打てば10倍の価値があるぞ』と続けました」
平日の練習時間はわずか90分。「考える野球」を推し進める長崎屈指の進学校は、「リフレーミング」に即反応した。初回2死から3番芦塚陽士(2年)がチーム初安打を放ち、“呪縛”から解放されると、長崎大会1試合平均3.2点の打線が10安打9得点の猛攻を見せ、終わってみれば8回コールド勝利。1998年春以来、27年ぶりの白星を挙げた。
「打てそうな投手とそうでない投手が何となく分かるんです。唐津商さんの投手はちょっと打てない部類じゃないかなと思っていたのですが、うまく打線がつながってくれました」
21世紀枠の推薦校に選出
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続く準々決勝では、九州大会、神宮大会覇者となる九州国際大付(福岡)に0対5で敗れるも、部活動と学業を両立させながら8強入りしたことが評価され、センバツの21世紀枠の九州地区推薦校に選出。期待と不安に胸を膨らませながら、1月30日の出場校発表を心待ちにしている。
「21世紀枠候補に選ばれたことで、冬の練習を行う子供たちのモチベーションもやはり上がりますよね。生活に張りが出たというか、僕も飽きさせないようにいろいろ工夫しながらやらせていただいています」
宗田監督は今冬、甲子園で戦えるチームを作るため、全国の指導者数人と昨春センバツ優勝校である横浜高(神奈川)のグラウンドを訪問し、練習を見学。名門校で戦う選手たちの1球に対する執念に驚かされたという。
「横浜はただ上手な選手を全国から集めて戦っているわけではなく、どこよりもチームとしての一体感や徹底力があると感じました。村田(浩明)監督は人間教育にも力を入れているし、本物に触れることができていい勉強になりました」
練習時間が短いからこそ
長崎西も短い練習時間の中で、1球にこだわりながらプレーの質を高めている。シートノックでは、マネージャーがワンプレーごとにストップウォッチでタイムを測る。内野ゴロから一塁送球は4秒以内、外野からの二塁送球は8秒以内、バックホームは7秒以内といったように、決められた時間内にプレーが完了しなければ、方々から厳しい声が飛ぶ。


