プロ野球PRESSBACK NUMBER
「僕はジャイアンツに必要ないのかな…」早稲田大卒ドラ3右腕が突然の通告に呆然〈長嶋巨人最後のトレード〉主役が語る波乱の野球人生
text by

佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2026/01/28 17:00
若き日の三澤興一さん
「今ではトレードも当たり前のように行われていて抵抗がないと思いますが、当時はまだトレードは衝撃的なニュースでした。正直、僕はショックでしたね。ああもう、僕はジャイアンツに必要ないのかな、って。悔しいし寂しいし……。でもシーズン中のトレードって、明日には大阪に行ってホテルで入団会見をして球場へ、という感じなんですよ。ですから気持ちを切り替える時間もなく、ただ先に進んでいく、という感じでした」
エリート集団→“いてまえ”猛牛軍団へ…
感傷に浸る間もなく、新しい生活が始まった。エリート集団のジャイアンツから、パ・リーグの近鉄へ。梨田昌孝監督のもと「いてまえ打線」を看板にワイルドに勝ち進む猛牛軍団は、「ジャイアンツとは雰囲気が違った」という。
「チームに勢いのようなものはあったと思います。同じ野球をやる仲間たちなのですぐに馴染めましたが、対戦相手も積極的にどんどん振ってくるパ・リーグの野球は新鮮ではありました」
移籍後しばらくはリハビリに費やし、7月下旬に一軍合流。ようやく新天地での一歩を踏み出した本拠地・大阪ドーム(当時)の廊下で、三澤さんは今も忘れられない言葉をかけられた。声をかけたのは、当時近鉄の投手コーチだった故・小林繁さんその人だった。 〈つづく〉

