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「無名中の無名」選手がナゼ“阪神からドラ3”指名? 中学は軟式、高校は1日45分練習…岡山の公立進学校→国立大からプロ入りの「野生児の正体」 

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清水岳志

清水岳志Takeshi Shimizu

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posted2026/02/02 11:01

「無名中の無名」選手がナゼ“阪神からドラ3”指名? 中学は軟式、高校は1日45分練習…岡山の公立進学校→国立大からプロ入りの「野生児の正体」<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

昨秋のドラフトで阪神から3位指名を受けた筑波大の岡城快生。高校は岡山の公立進学校で、野球では全くの無名選手だった

 ボールを使った練習ができない間、ウェートトレーニングで筋肉を増やし、基礎体力を整える。3カ月で5キロの筋肉を増やした。

 秋季は3節目から復帰する。ライト、レフトを守り7、8、9番の打順を任された。ヒットが出れば儲けもの。守備がしっかりしていたので徐々に貢献度を増した。

 岡城は伸びる素材だった、と東條は言う。そして川村監督は「努力が上手い」という表現で褒めている。

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「課題点をわかっていて、解決するためのアイディア、アドバイスを取捨選択して解決につなげることができたところかなと思います」

 自身ではそんな分析をしている。

本人も認める「筑波以外だったら埋もれていた」

 バッティングはインコースが苦手だったという。

「そもそも打てる気がしませんでした。引っ張り方がわかってなかった。スイング軌道が外回りで外の真っすぐが右に飛ぶのはあったんですが、その軌道でインコースはレフトに打てなかった。ひっかけが多かったですね。川村先生に腕のたたみ方など指導して頂いて感覚的なものがわかってきた。徐々に打てるようになってきました」

 本人も東條も「筑波以外だったら埋もれていた」と口をそろえる。筑波に落ちていたら京都の私立に行く可能性もあったようだが、六大学や私立だったら、粗削りすぎて試合には出られていないのではないか。2年から実戦を積めたのは大きな経験になった。

 3年春にセンターのレギュラーポジションをつかむと、秋には打率4割越えの数字を残す。そして大学日本代表の選考合宿に招集される。それは川村監督が人選に関わっていて推薦してもらえたのではという運の良さもあった。さらにそこで大きな転機が訪れる。計測した50メートル走で5秒82という最も早い数字をたたき出す。

「選考合宿の数字はものすごく自信になりました。そこでプロ野球を現実的に意識できるようになった」

 4年のリーグ戦でも春秋とも3割以上をマーク、盗塁も合計で10盗塁をマークして、プロから注目される選手に成長した。

 外野手として肩の強さに加え、送球の素早さがある。勢いをつけるためのステップを必要としないというわけだ。

「内野手だったのでボールの握り替えは早いかもしれません」

 昨秋、リーグ優勝を決めた試合は岡城が守りで貢献した。1点リードを許していて、左中間のフライをホームへのダイレクト送球で刺して、犠牲フライでの追加点を防いだ。そこから同点に追いつき、延長タイブレークで勝ったものだ。

【次ページ】 周囲の評価は…「野生児」!

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