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「風間さん、泣いてたんだぞ」若手アイドルレスラーだった大向美智子がまさかの電撃移籍…本人が号泣告白した“引き抜き騒動”の全真相
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伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byTakashi Shimizu/東京スポーツ新聞社
posted2026/01/22 11:01
大向美智子が明かす若手レスラー時代、そして故・風間ルミとの記憶とは
アルシオン電撃移籍は引き抜きか、スカウトか?
――風間さんの心中は、複雑だったと思います。
大向 私は、付き人のままやめてるからね。神取さんは、新人が入ってきたら付き人を次から次へと変えるんだけど、風間さんは新人が入ってきても入ってきても私のままで、5年間やった。
――LLPWに在籍したほとんどの時間が、付き人だった計算になりますね。
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大向 そう。ずっとだよ。あとね、LLって1回も給料が遅れたことないの。アルシオンではあったけど、風間さんのところにいたときは、1回もない。封筒にかならず手紙が入ってて、それが毎月楽しみだった。直接は絶対に褒めたりしないのに、手紙には普段聞けない言葉が書いてあったりするのね。あのころはまだ、試合でお客さんが入らなかったら、利益が生まれないとかもわかってなかったし、試合があることが当たり前だったから、もっとちゃんと理解してプロレスをやってたら、会社に少しは貢献できたのになってね、いま思うことはたくさんある。
――結果、アルシオンへの移籍は「引き抜き」か「スカウト」か、微妙なライン。
大向 マリーゴールドのときもそうだけど、「小川さんが引き抜いた」って言われるじゃない? あの人、引き抜いてないよ。たぶん、ほんとの引き抜きは、私だけじゃないかな? あとはね、みんなが好んで行ったんだと思う。
「記事は見てたよ。がんばってるじゃん」
――風間さんと神取選手とはその後、雪解けのときが訪れましたか。
大向 訪れた。7、8年はたったかな。けっこうかかったね(笑)。アルシオンをやめて、フリーになって、「六本木香和」(ショーレストラン)のショーに出てたとき。その日は、GAMIさんが店に予約を入れてくれてて、3人ぐらい連れてきてたの。終わってから、あいさつに来てくれたなかに、風間さんがいたの! 風間さんは、プロレスをしながらバイトするのを嫌がってた人だったけど、「ちゃまこのエンターテインメントのこの仕事、私はありだと思う」って褒めてくれた。いまのあり方を話してくれて、そっからかな、ちょっとずつ解けていったのは。そのとき、「(LLPWをやめてからも)ちゃまこのことはすごく気になってて、記事は見てたよ。がんばってるじゃん」って言われて、「私、正解だった!」って思ったのよ。
――報われた瞬間ですね。
大向 そうだね。最後に会ったのは、「押忍PREMIUM SHOW」の新宿FACE(20年12月26日)。風間さんは、(デビュー曲の)「都会の流星」を歌ったんだよなぁ。レジェンドの人もけっこう来てて、全員で写真を撮ったの。そのあとに、風間さんは私とごはんに行きたかったみたいっていうのをあとから聞いて、行かなかったことが、いまでもすごい悔やまれる。〈つづく〉
(撮影=志水隆)



