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“高校野球7回制に否定的報道”桑田真澄コメントには続きが「そういう改善策を」酷暑だけでなく…世界的潮流に潜む“投手の故障リスク問題”とは

posted2026/01/11 11:01

 
“高校野球7回制に否定的報道”桑田真澄コメントには続きが「そういう改善策を」酷暑だけでなく…世界的潮流に潜む“投手の故障リスク問題”とは<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

9回制で行われてきた高校野球だが、世界的潮流にならって「7回制」となるのだろうか

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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Hideki Sugiyama

 高校野球で大きな議論となっている「7回制」。日本高野連が実施したアンケートや各識者の意見とともに、導入へ動く背景について考察する。〈全2回〉

 日本高野連は2025年3月、例年9~10月に行われる国民スポーツ大会の「高校野球競技」を7回制で行うことを発表していた。

日本高野連の事務局長が昨夏に語ったこと

 第1回で触れた7回制アンケートの企画意図で「部員数の差が顕著になる中での部員不足」「部員・応援生徒・指導者・審判員・観客など夏季の熱中症対策」「人口減少」などが挙げられている点を見ても、事態は極めて深刻で、緊急性があることがわかる。

 昨夏、筆者は日本高野連で井本亘事務局長に話を聞いた。井本氏の言葉をまとめると……。

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 ・7回制移行は極めて大きな改革で、高野連だけで決めて良いのか、という話が出た

 ・慎重論もあったが、この際意見を聞いてみようとなった

 ・高校野球に興味のある人だけでなく興味のない人の考えも聞こう

 ・一般の人から反対論が多数出てくることも予想されるが、その声も受け止める

 とのことだった。

 つまり7回制移行は喫緊の課題ではあるが、高校野球が国民的なスポーツであることを勘案して、決める前に「より多くの声を聞こう」としたわけだ。

 日本高野連は調査開始に向けて複数の調査会社に相談し、「加盟校」「登録モニター」と「ウェブサイト」の三本立てにした。「登録モニター」「ウェブサイト」は、いわゆるクロスチェック、また「記名(登録モニター)と匿名」の回答者へのダブルチェックの意味合いを持つ。その結果として、登録モニターとして答えた人は比較的多くの人が7回制移行に対して理解を示した一方で、ウェブサイトは圧倒的な人が反対したのは第1回で触れた通りだ。

 登録モニターの多くは「7回制」の背景説明をしっかり読み込んで回答したと考えられる。対照的に「昭和の高校野球」のコアなファン層である40~60代は反対する人が多かった。登録モニターに比べれば、説明を十分に理解せずに回答した人がいた可能性がある。「Yahoo!ニュース」のコメント欄でも、見出しを見て反応したとみられるコメントが散見されるが、こうした点も勘案すれば、2つのアンケートを実施したのは意味がある。

なぜ7回制導入なのか…1つは酷暑と試合時間

 あらためて――なぜ「7回制導入」が必要なのか?

【次ページ】 世界的な潮流となった背景に“投手の障害リスク”

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