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原晋監督の妻が明かす、青学大のルール「配膳・掃除当番は平等」「箱根駅伝を走る選手も過保護に扱わない」 チームの結束力を強くする“寮生活のヒミツ”
text by

原美穂Miho Hara
photograph byAFLO
posted2026/01/03 06:01
箱根駅伝でも輝く、青学大の“絆”はいかにして生まれるのか?
タイムという数字で順位がついてしまうのが陸上競技です。生活面でも彼らがそれにこだわりすぎないようわたしが気をつけていることといえば、「人によって、対応を変えない」ことです。速く走れる子だけを過保護に扱うことはしません。配膳や掃除の当番はみんなが同じように担当します。速く走れる子は掃除が免除される大学があると聞いたことがありますが、この寮ではそういった差はつけていません。4年生も1年生も区別しません。
みんなで暮らす場なのだから、当番はみんなに同じように当たるようにしています。こういった仕組みをつくってきたのは、この寮を巣立っていった学生たちです。
差し入れでいただいたものなどは、タイムはもちろん、学年も問わず、早い者順で分けていきます。たとえばいただいたジュースなどを食堂に置いておくと、早めに受け取りに来た下級生がマンゴーなど人気の味を確保し、あとから上級生がやってきたときには、不人気の味のものしか残っていないことがあります。4年生でエースだった一色君が「あ、俺の好きなものがもうない」とか言っています。でもそれは、遅く来たほうが悪いと言うより、早く来たほうが賢いのです。
同じ学年の中に“上下関係”を生まない
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速く走れることは偉いこと、そんな認識ができてしまったら困るなと思うのは、上下関係がねじれるからでもあるのですが、それよりも、同じ学年の中に上下関係ができてしまい、同級生同士の間に遠慮が生まれてほしくないからです。
生涯の友人は、小中学校、高校のときのクラスメートよりも、大学時代に密に接していた友人だという人は少なくないと思います。ここで暮らしている彼らには、寮の同級生が生涯の友人になるはずです。そう考えると、寮やチームの一体感どうこう以前に、わだかまりはあってほしくありません。
そう考えてわたしなりに努力してきたつもりでしたが、見落としていたこともありました。
先ほどジュースの話で出てきた、一色恭志君という子がいました。高校時代から注目されていた子で、今思うと、入学してきた時点で同級生から一目置かれる存在だったと思います。
1年生で出雲、全日本、そして箱根のメンバーに選ばれる実力の持ち主で、2年生のときには箱根のエース区間2区に抜擢されて期待に応え、優勝に貢献しています。
陸上への意識が高く、結果もきちんと残す。下級生はもちろん、同級生からも尊敬される子でした。ただ、あとで聞いた話では、周りは自分のようにストイックではないと感じていた一色君と、一色君のようにはできないと思う同級生との間で、ちょっとした衝突もあったようです。ただ、一色君はふだんは感情を表に出さず、それほど口数が多いほうでもないので、わたしはそのことに気づいていませんでした。
