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最強ソフトバンクが放出“もったいない選手”No.1…「かつて広島駅の駅員だった」現役ドラフトで楽天移籍、佐藤直樹27歳とは何者か? 山川穂高も絶賛
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田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byJIJI PRESS
posted2025/12/11 11:01
最強ソフトバンクで“埋もれていた”もったいない選手No.1。佐藤直樹とは何者か?
「ポテンシャルはすごい。でも芯がないように見える。迷いながら練習をやっている。だから芯をもってやっていこうと伝えたい」と今年1月の自主トレに同行させていた。そしてもう1人、山川穂高の助言にも救われた。2024年シーズンのある時に「ミートポイントはもっと前。究極の前さばきで打った方がいいと思う」と言われ、長いバットを使うことを提案されたという。今季はプロの主流よりも長い87cmのバットを使うようになり「遠心力が効く分めちゃくちゃ飛ぶようになったし、外角も届くようになった」と効果てきめんだったことを明かした。
そんな山川が今、目をつけているのがじつは佐藤なのである。
「バケモノになれる」山川穂高も絶賛
山川は日本シリーズ終了2日後から自主トレを開始している。オフ期間の現在も福岡市内の球場を自身で借りて連日長時間に及ぶ練習を行っており、佐藤も今年から弟子入りしているのだ。
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「山川さんですら毎日練習している。僕が11月、12月と休んでいる暇はない。自分からお願いをして参加させてもらっています」
もともと年明け1月の自主トレは例年、柳田悠岐のもとで行っていたが、その柳田からも“山川塾”を勧められたという。
「山川さんの説明もすごく分かりやすくて、スイングの形も飛距離も1か月で変わりました」
山川からは「おまえはバケモノになれる」と太鼓判を押されている。佐藤もすっかりその気になっている。
「山川さんに言わせれば(現時点での練習量は)まだまだ序の口らしいですけど、めちゃくちゃしんどい。オフにこんなに練習することはなかった。この3カ月、死ぬ気でやったらどうなるか。バケモノになるつもりで頑張ります」
12月上旬にそんな風に意気込んでいた矢先の、現役ドラフトだったというわけだ。
新天地となる楽天は、正中堅手だった辰己涼介が国内FA権を行使しており去就が不透明となっている。そのほかに今季100試合以上出場した外野手は中島大輔(124試合)のみと手薄で、右打ち外野手ではゴンザレスの53試合出場が最多だった。
佐藤への期待はかなり大きいとみられる。
「レギュラーを獲って、意味分からんくらい打ちまくりたいです」
信頼の“ホークスブランド”。その効力がまたもや発揮されるのだろうか。

