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「中国キラーのカットマン」「世界ランク急上昇」卓球・橋本帆乃香27歳が明かす“快進撃の理由”「そんな簡単に負けてられない」活躍のウラに大決断 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byIchisei Hiramatsu

posted2025/12/08 11:01

「中国キラーのカットマン」「世界ランク急上昇」卓球・橋本帆乃香27歳が明かす“快進撃の理由”「そんな簡単に負けてられない」活躍のウラに大決断<Number Web> photograph by Ichisei Hiramatsu

世界ランキングは10位、国際大会で大躍進中のカットマン・橋本帆乃香

直面した“世代交代”という壁

 大きな要因となったのは、国際大会に出る機会が減少していたことだと言う。

「以前は国際大会に出場していたんですけど、コロナ禍になり国際大会に出場しづらくなりました。そのタイミングでTリーグへの参戦がありましたが、国際大会がどうしても重なってしまう時期があって、国際大会に出たくても出られない、という状況が続いていました」

 2021-2022シーズンは九州アスティーダ、2022-2023シーズンからは3シーズン、日本ペイントマレッツのメンバーとしてTリーグに参加している。スケジュールの兼ね合いや国際大会への参加機会の減少……そのほかにも、橋本の葛藤には理由があった。

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「世代交代じゃないですけど、同じ所属でも下にいる後輩たちが国際大会に出場することがある中で『どうして私は出られないんだろう』と感じてしまうときもあって。私も挑戦したいとずっと思っていたので、それであればチームを替えて国際大会に積極的に出場できる場所に行くしかないと感じました」

 橋本は愛知県名古屋市に生まれ、中学に入学以来ずっと大阪で生活して14年になっていた。慣れ親しんだ環境を変えるのは、簡単ではない。

「いろいろな方に相談したり、寝れない日々が続いたり、どうしようと考える日が続きました」

「国際大会に積極的に出場する」強い決意

 悩んだ末に残ったのは、“このままでは、変われない”という思いだった。そして見出したのがデンソーポラリスだった。

「国際大会に積極的に出場するという契約をデンソーさんとさせていただきました」

 これまでの居場所を飛び出し、望んでいた環境を得た。それは内面にも影響を及ぼした。

「自分のためにサポートしてくださる会社があって、悔いなく試合をしようという気持ちで臨めるようになり、成績がちょっとずつよくなってきたんじゃないかなと思います」

 海外遠征の増加には、別のプラス要素もあったと振り返る。

「大阪ではチームで移動していたので、周りが助けてくださったり、ちょっと甘えてしまう部分がありました。でも移籍してからは、海外の試合に行くにしても自分と練習パートナーの方一人と行く感じで、日本語なんて全く通じないところで試合をしていたので、翻訳アプリを使ったり、知っている英語やジェスチャーで何かを伝えて生活することがすごく増えて。

 慣れないことやふだんできないことを自分ですることによって、ちょっとずつ気持ちが強くなったというか、そこまで大変な思いをして海外に来ているのに、そんな簡単には負けてられないだろうって思うことも増えて、ここで頑張らなきゃいけないんだっていう風にも思いました。環境を変えて、自分自身で何かを決めたり責任を持ってやることが増えたので、そういった部分が試合でちょっとずついい方向につながったのかなとは思います」

【次ページ】 「試合前は緊張でお腹が痛くなったり…」橋本の素顔

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