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実はトップ10が「10年で平均5cmアップ」テニス界が高身長化… “絶滅危惧種” 170cm台の錦織圭が「正直、あれが理想」と言う196cm日本人若手とは?

posted2025/12/02 11:01

 
実はトップ10が「10年で平均5cmアップ」テニス界が高身長化… “絶滅危惧種” 170cm台の錦織圭が「正直、あれが理想」と言う196cm日本人若手とは?<Number Web> photograph by Getty Images

2019年、のちに歴代世界1位の最高身長を更新することになるメドベージェフ(198cm)と錦織(178cm)。ここ10年、テニス界の高身長化が進む

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山口奈緒美

山口奈緒美Naomi Yamaguchi

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 昔、ある選手が自身の選手生活の晩年に、記者会見でこんなことを言った。

「僕が考えるには、テニスで理想的な身長は185cmだ。サーブのクオリティ、敏捷さ、身体バランス、持久力……テニスに必要なあらゆる能力を、もっとも高いレベルで発揮できるのがそのサイズ。将来的には190cm以上の優れた選手がもっと出てくるだろう。彼らも日々努力しているからね。

 でも、たとえば210cmもあったら、サーブは簡単だろうけど素早い動きはできないし、常に体から遠いところで打たないといけないから、ボールをコントロールするのも難しい。やっぱり185から188、このあたりがベストだと思う」

185cmが「理想身長」?

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 発言の主は、ダブルスで2つのグランドスラムを含めて24のツアータイトルを獲得し、シングルスも最高17位までいった身長178cmのファブリス・サントロだ。男子では特に珍しいフォア・バックともに両手打ちのプレースタイルで、器用にボールを操って観客を楽しませる彼に<マジシャン>とニックネームをつけたのは、一つ年上の元王者ピート・サンプラスだった。

 かつては史上最強とも謳われたサンプラスはまさに理想の185cmだったが、二人の対戦成績は4勝3敗とかろうじてサンプラスが勝ち越しているだけで、クレーではサントロに軍配が上がる。

 そんなサントロが35歳のときの全豪オープンで、206cmの巨体を持つ22歳のジョン・イズナーにストレート勝ちしたあとに語ったのが、先の持論だった。実際、当時1位のロジャー・フェデラーと2位のラファエル・ナダルも185cm。また、トップ10の中に190cm以上の選手は191cmのアンディ・マレーただ一人で、10人の平均身長は183.6cmだった。

【次ページ】 トップ10の6人が190cmオーバーの時代に

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