西岡剛「最初は断った」ロッテ打撃コーチ就任の舞台ウラ「選手にお金を稼がせることしか考えてない」新生マリーンズ改革の救世主になるか 

――秋季キャンプで実際に選手と触れ合って感じたことはありますか？ 言葉で伝えるのか、ジェスチャーで伝えるのか。

西岡　どっちも重要ですよ。両方です。みんな、小さいころから野球をやってきてプロの世界にいる。（打つ）タイミングはわかっているんですよ。バッティングで一番大事なのはタイミングですから。でも、多くは言語化ができていない。3割を残すような選手は、バッティングを説明できるんです。僕も子供の頃からいろんな打ち方を試してきて、理論がある。それが確立されている自信はある。だから（秋季キャンプでは）選手たちに伝えました。トスを上げて、打たせて、それ、それ、それ、と（最適な打ち方を）理解してもらう作業をしました。

――バッティング理論、話せる範囲で。

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西岡　速い球を打ちたい、打ち負けたくないと思うと、身体の体重が前がかりになり、バットとボールが当たるポイントも前になる。そうすると、対応できる範囲は狭くなる。藤原（恭大）選手も高部（瑛斗）選手もまずここ（前）に体重が乗るんですよ。後ろに重心があれば対応できる幅が広がります。どっちの確率が高いか。“ここまでがあなたの打てる範囲ですよ”と言葉にして理解してもらい、（ロジカルに）バッティングを覚えてもらいたいということです。細かいことはたくさんあるんですが。

――身体の使い方。

西岡　はい。日本人とかアメリカ人とか関係なく、成績を残すバッターには共通していることがある。それを言語化して伝える。立ち返るものを与えたい。そこがバラバラだったから成績を残せなかった。

2011年からMLBミネソタ・ツインズでプレー。26歳でのデビューは当時、日本人野手最年少の記録だった　©︎Tom Szczerbowski/Getty Images

――選手は理解できた？

西岡　約3週間あった秋季キャンプで、参加できたのは4日間だけでした。それでも理解はしてもらえたと思います。重心を前にして打っていたフォームと、後ろ重心に引き寄せて打つフォームとではかなりの差が生じるので、最初はバットの先に当たったりエラーもでます。でも、それだけボールを長く見ることができるんだということをまず覚えてもらいました。

――伸びるとポテンシャルを感じた選手は？

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